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石の肺―僕のアスベスト履歴書 (新潮文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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小説家が描くアスベスト問題 ★★★★★
私小説家である佐伯氏が、実体験から描く石綿の現場は分かり易い。
ルポライターやジャーナリストが書くそれらのように肩で風を切ることなく
「咳が近づいてくる。」と現在の奥様に語らせるなど、
ジャーナリストには少ない、きめ細かな描写で読者に分からせてくれる。
また阪神での取材では氏の思慮の深さや、物事の関連づけに底力を見た思いがしました。
間違いなく佐伯氏だからこそ書けた本であり、当事者の声でしょう。
エポックメイキング的本作が、やっと文庫版になりました。
電気工事やさんを営む先輩に読ませたら、身につまされ、かみさんには読ませられないと言っていました。
もっと読まれるべき、注目されるべき書籍です。
ここにも高度成長の吹き溜まり ★★★★☆
佐伯さんとはほぼ同年齢です。
私たちが生まれた時にはもう水俣病の発生が確認されていましたし、小・中学生時代には「公害」の文字が踊っていました。
義憤をまくしたてるのではなく、アスベスト禍の被害者として、そして小説家としてつづる抑えの利いたノンフィクションです。
本書にも出てくるように「三丁目の夕日」の懐かしさの裏にある、信じがたい傲慢さと無知から引き起こされた信じがたい事実を知らされます。
儲けや手間といった自分たちの都合を下請けの現場の職人が背負い込ませる理不尽さ、泉南地区の石綿工場の歴史の中にみられる差別の構図など、テレビ・新聞だけでは知り得ない、アスベストから見た近代史・戦後史の現実を教えてくれる。