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プロ作家になるための四十カ条 (ベスト新書)

価格: ¥820
カテゴリ: 新書
ブランド: ベストセラーズ
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真面目な小説作法入門書 ★★★★☆
作家志望者向けの本を初めて読んだ。
ほかの読者のレビューを参考にすると、入門書といった物らしい。
素材によって作品の適切な長短があったり、出だしで惹きつけることや、
プロット作りと推敲の重要性など、具体例を挙げて解説している。
300ページ弱あったが、極めて読み進め易い文章であった。
ただ、このルールから少しでも脱線しようものなら、怒られてしまいそうな
圧迫感があった。
新人賞を狙う人間のための本 ★★★☆☆
レビュータイトルで間違えないで欲しいのは「売れる、人気作家になるための本」ではないということ。まず作者自身が別にとんでもないバケモノ作家で、今なお前線で活躍している人間ではない。だからワッと売れて専業作家になる志しの人間にはあわない。この本はあくまで新人賞で少なくとも予選通過を一段階を上げる手引きでしかない。

そしてこの本に向く人間は、SF,ミステリーといった硬派向けの人間だろう。人気のライトノベル新人賞には向かない。なにせ「学園物はだめ。非日常ではない」といい、全面的に否定している。学園物ならばどうするかという指導もしない。だが最近のライトノベル新人賞は「現代学園物、主役は10代」なんて指定さえある。もし作者の教えに従うなら、ライトノベルの賞はまず取れないだろう。よって乱歩賞などを狙う人間に向くと言える。


読む上にあたっての注意事項は、作者自身も述べているが、選考者と一般読者の感覚はずれていて、必ずしもこの本の指導が正しい小説だとは言えないことである。おそらく市場に出れば売れるお客様目線な内容も、選考者の一般からハズれた感覚によって落とされてしまう。というただ応募していているだけでは気づかない内容を突っついてくれる。その感覚のずれを認識するための本であるといえる。

なので、タイトルのとおり、新人賞を狙うための本であって、それ以下でもそれ以上でもないということである。
一般的な文書作成にも当てはまる ★★★★☆
ちょっと前に、「プロの小説家になる作家養成塾」という本を読んで面白かったので、同じ著者の本を探して読んでみた。

面白いし、ためになりそうな気がする。
プロ作家になるためと題打ってあるが、これは一般的な文書作成時にもいえることばかりだ。
その当たり前のことが、自分を含めてなんとできないことか!

1度原稿を書いてしまうと、どうしても未練が出るのだけれど、そのためばっさり削る、めためたに書き直す、ということに気後れが出るのだけれど、それでは良くないと言うことをつくづく思い知らされる本だ。
マニュアル的な、あまりにマニュアル的な ★★☆☆☆
 主に公募への投稿を考えている作家志望者向けに「審査に通る小説」の書き方を指南した本である。実際に審査員や作家養成講座の講師として多くの作品に目を通した著者だけあり、特に初心者が陥りがちな失敗---当人は斬新なつもりで実は陳腐なアイディアや、読み手を白けさせる冗長な文章について書かれた部分など、「そういえば自分もやってしまった」と思い当たる人は多いだろう。他にも、長編と短編の違いや推敲の技術、仕事と執筆を両立させるコツなど、いろいろと参考になる内容が盛り込まれている。
 しかし一方で、読めば読むほど、著者が求める模範解答的な小説のスタイルに根本的な疑問が湧いてくるのも事実である。群像小説はだめ(『三国志演義』失格)。「神の目線」はだめ(『モンテ・クリスト伯』・司馬遼太郎のほとんどの作品失格)。視点はなるべく固定し、途中で変えるのは良くない(『水滸伝』失格)。物語は時系列に沿って進め、カットバックはしないこと(『そして誰もいなくなった』失格)。本筋と関係のない挿話や解説を入れてはならない(『レ・ミゼラブル』『吾輩は猫である』失格)…。挙げ句に、そうした厳しい選別の末に求められる小説が「落涙うるうるの感動ドラマ」では、あまりに哀しくないだろうか。さらに、長編1編を30分から1時間で読まねばならない予備審査や最初の1枚だけ読まれていきなり落とされる作品の話を聞くと、こうした極端なまでの消去法で、出版社や審査員が本当に「新しい才能」や「個性ある作品」を掬い上げることができているのか気になってしまう。
 それとも、このような疑問を抱くのは、私自身が10年以上も前からあちこちの公募に作品を投稿しては選評さえもらえずに落選し続けている事への、単なるひがみに過ぎないのでしょうか。ただ、少なくとも、私の屍を踏み越えて進む若い皆さんには、(知っておくこと自体は無駄ではないにせよ)マニュアル化された禁じ手だらけの小説像に囚われず、自由でスケールの大きな作品を目指してほしいものです。
物足りなさを感じた ★★★★☆
氏の「プロ作家養成塾」を拡張し、新たな要素も含めて書かれた本であることが窺える。
内容が前著と重複する部分が多かったが、同じような事項も別の側面で捉えられていたり、より噛み砕いた書き方が為されていたりと、別の本として出すだけの工夫が凝らされていた。
ただやはり、比較的初心者を狙っているような部分があり、物足りなさを感じざるを得なかった。多少前著からの発展した部分やより高度な部分のノウハウも書かれていれば当方としては尚嬉しかった。
しかし、基礎基本を忘れてはならないという意味で強く印象付けられた部分もあった。
作家としての必要十分条件を濃縮しトレンドの要素も追加した、時代に沿った指南書であると思う。