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サイゴン・タンゴ・カフェ (角川文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon.co.jpで確認
出会いはタンゴ ★★★★★
2ヶ月ばかり前、タイトルが気になり、文庫本を購入しましたが、しばらくはそのまま。改めて手にしたのはかなりたってから。どうしてこんなにタンゴに惹かれるのだろう というあとがきを読まなかったら、中山可穂を読むことはなく、そのままになっていたかもしれない。タンゴといってもピアゾラではねえといった感じ(3篇はA.Piazzollaのタンゴの曲名、小生が偏愛するのは1920年代後半からのほぼ10年のタンゴなので)5編を読み終えて、驚嘆!モーツアルトはまあ十分に聞いているので、あわてて「ケッヘル」を求め数日で読破。(正直これはケッヘル・ナンバーのつど説明がつくのがちょっと)次が「白いバラの淵まで」なんと切ない、と読み終えて、そのあとの「花だけはくれるな」のエッセイは衝撃。バラをそこそこ作って人にあげるのは趣味みたいな、私にとっては。
 昨夜「聖家族」読了。
  白滝と春雨で笑っているうちは、よかったのに
 透子が五体満足で、息をして、動き回ってくれさえすれば、二度と会えなくてもかまわない のくだりでうろたえ、透子にもう一度電話をかけたいと思う...桐人をどうしてほしいのか、それを一番きいてみたい。いや本当は、聴かなくてもわかっている。わかりすぎて胸がちぎれる。わたしにそれができるかどうか、教えてほしい。でもわたしは天国の番号を知らない。にいたって、初老をはるかに越えた爺さんは 号泣。参りました。
 類まれなという言葉も陳腐なこの作家を教えてくれたタンゴに感謝しなければならない。
 ところで、古い読者は、まちわびた新刊を手にするとき、どんな気持ちだったのだろう、私は次の本を選ぶのが怖い。
 
結構好きです! ★★★☆☆
今回は5つの作品から成る短編集

この作家をすごく好きと言うわけではないけれど出版されると何故か気になって必ず読んでしまう。

自分自身と共通する所が全くあるわけでなく、それでも最後まで一気に読めるのは、この作家ならではの独特の世界観なのかなぁ…

文体の美しさにいつのまにか引き込まれている自分がいる
ドラマチック ★★★★☆
全てのストーリーに共通するキーワードがタンゴなだけあって
心の内奥を曝してぶつけ合うかの如き情念を感じさせる恋愛ものになっています。

ストーリーラインから登場人物の名前、台詞にいたるまでドラマ性が高く現実から遊離した感じをおぼえました。
中山可穂さんの著作を読むのはこれで3作品目なのですが詩的な表現力、
明快な情景描写、そして淡々としつつ不思議な力強さを感じさせる文体は相変わらず見事。
ただ女性同士の性的な絡みや悲しみを慰撫しあう時の表現には思わず目を背けてしまう様な生々しさがあって
、文章表現の秀逸さも相まりちょっと堪えました。
著者の作品を読み終えた後は一時的に拘りや偏見から解放されて少し心が軽くなる。
文章に情念が篭っているからでしょうか。
残りかす ★☆☆☆☆
特異な才能がある人と新刊を必ず手にしていましたが、最近の三冊ほどは読んでのち本を置いて嘆息しております。もはや中山可穂の残りかすでしかありません。
良い本だが、男性として、その余りの"女くささ"に、、、。 ★★★☆☆
「サイゴン、タンゴ、カフェ」。いかすタイトルである。それだけで、情熱的で官能的な風を感じさせる。そして、収められた5編の作品も、ページをめくる手を止めると、まるで、タンゴのリズムが、薫陶と爛熟を以って静謐と流れてくるような感覚なのである。
5年半もの時間を不倫関係で過ごし、かつ最悪の形で裏切られながらも、男の急死に葬儀に臨席する女、親子二代に渡って忌まわしい出来事を引きずりながら生きる母娘、特に魅力的でもない旦那に浮気された女と悲しい過去を持つ浮気相手の女、そして、ある理由で日本を離れ、サイゴンで隠遁生活を送る伝説の作家。
ここに登場するのは、どれも言いようのない精神的なダメージを沈潜させながら、生きてきた女性たち。彼女たちが、"タンゴ"を媒体にして、そのリズム、音色、息遣いに恍惚、覚醒させられ、それが心の源泉となって、呪縛から解き放たれる。
時に硬質、時に甘美、時に媚態、時に抒情的。その文章力に唸らされるが、男としては、その余りに濃厚な"女くささ"にあてられてしまったのも事実、よって男性読者は心して読むべし。