内なるマッチョを排除しなさい。
★★★★☆
クライアントに借りて読んだ本。
リスクに小手先で対応しても無理がある。
システムから構築しないといけない。
危険が起こる可能性を限りなく低くすること。
そのために何を行うか。
絶対安全はありえないのだから。
自分がやれば大丈夫など、内なるマッチョを排除すること。
自分は特別視してしまうけれども。
実施には企画するときとまた違う頭の使い方が必要だ。
管理職には絶対に読んで欲しい
★★★★★
パイロットが空から学んだシリーズの第二弾。航空業界における危機管理を一般のビジネスに応用することについて書かれている。
危機管理本に多いような理論づくめの話ではなく現場レベルでの「ではどうしたらよいのか」、といった問いに対する答えを提示してくれている。また提言、警句を現場リスク、中間管理職、トップマネジメント編と分けさらに、note,caution,warningの3段階にレベル分けしてかかれているため、とてもわかりやすい。
特に「自分が扱っているのが機械だということを忘れると、故障の表示が出たときに、コンピュータのチェックだけをやってそれでよしとしてしまいます」という記述はグサリときました。生体情報モニターが発達してきた昨今、我々麻酔科(とくに若手、研修医など)もモニターばかりみて、データの異常を見てデータを治そうとする傾向が出てしまうことがあります。
是正するのは生きている患者。データは絶対値ではなく患者に合わせて解釈するもの。あらためて思い直しました。
リスク回避の建前には同意できるが・・・
★★★☆☆
危険度を3種類に分け(上に行けば行くほど危険度の高い表示が少ないのは気になるが)、原発等実際の事故の事例を挙げて解説し、要点を一つ一つワンフレーズでまとめており分かりやすい。
だが、実際に現場でリストラや安全コスト削減が堂々と行なわれている現実をどうリスク回避するかまでは書かれておらず、どこの職員であったのかは分からぬが、「沈まぬ太陽」で描かれた航空業界の安全軽視の姿勢が更に進んでいる(機付き整備をやめ、整備自体を外注し、CAを安全要員と考えず単なる乗客接待係と考える等)ことについても、『パイロットが』と表題にしているにしては、及び腰になっている。
「臆病者と言われる勇気を持て」と安全に取り組んだ日航の松尾初代会長のような実例があってこそ、全体の安全に対する意識というクウキも変化するもので、「現場をリストラしない」ととトップマネジメントに言ってみたところで、絵空事に過ぎない。
すごいの一言
★★★★★
私もこの現場のに直結した 「その時、どう行動するべきか」
が瞬時に自分で判断できなくなった現場が事故をおこす根源
になっていると体験してしみじみわかっている。
成果主義で責任をとろうとしない上司の判断力が問われている。
危機レベル別、また現場、中間管理職、トップマネジメントと階層別に分けて50項目にわたって整理され実例を交えているところが
本書のすごいところ。いずれあってお話を伺いたいお一人だ。
現場の声を反映している危機管理術
★★★★★
あらゆる装置にコンピューターシステムが組み込まれ、それらが自動制御する
ことが主流である現在にあって、パイロットの技量は問われることはあっても
パイロットと危機管理術は私の中では余り関係があるようには感じていません
でした。
しかしながら、実は人と荷物を含めた機体重量と目的地までの天候(風速)
などを元に経験則も踏まえて必要燃料を導くのはパイロットの仕事である
ということを本書ではじめて知りました。
私は搭乗に関して、そのような意識を持ったことはありませんでしたが、
巻頭と巻末に物語風のフライト中の危機管理の例が挙げてがありますが、
非常に実践的な現場であると感じました。
著者が本書で示したかった旗振りだけの危機管理ではない、現場に直結した
「その時、どう行動するべきか」という方針を危機レベル別、また現場、
中間管理職、トップマネジメントと階層別に分けて50項目以上を各数ページ
ずつで実例を交えて判り易く簡潔に説明されています。
昨今、危機管理で話題に上ることも多い航空機輸送の舞台裏を知り、更には
空の旅を少し違った角度から見ることもできるようにもなれる、本書は
楽しみながらの読後には実益が得られる良書だと思います。