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ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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手に汗握る天才武将の対決! ★★★★★
 本巻では、イタリア半島を統一後、急速に国力を伸張させるローマと、カルタゴによる地中海世界の覇権をかけた1世紀にわたる三次の戦役が叙述されている。その中心は言うまでもなく、第二次ポエニ戦役。ローマに深く進攻し、幾度となくローマ軍を破ったカルタゴの名将・ハンニバルと
、国難を救うべく若年ながら大抜擢された大スキピオのそれぞれの戦いぶり、そして、両者が直接対決する「ザマの戦い」である。

 本書は丁寧かつ詳細に、当時の戦いを叙述する。合戦シーンの描写はもとより、当時の戦術の記述は秀逸である。後者は無味乾燥になりがちと思うのだが、本書では、合戦シーンの描写よりもむしろ面白く感じられた。日本人でありながら、古代ローマをテーマにして、ここまで詳細で臨場感のある作品を著した力量は見事である。

 ところで少々脱線するが、著者は最近、ある雑誌に興味深いエッセイを投稿している。英語を社内公用語とした日本の企業についてのものである。ローマに在住し、イタリア語に囲まれて暮らす著者が、ローマを語るために選んだ言葉は、日本語であった。なるほど、確かに古代ローマとはいえ、ラテン語やイタリア語を用いていたならば、たとえこの著者であっても、ここまでの作品を書けなかったに違いない。 
 今や、英語を駆使することの利点は、誰しも承知していることだろう。しかし、思考・感性を用いた高度な知的作業をするのに、母国語以上に適当な言語はあるはずもない。外国語を必要以上に重視することが知性の枯渇に繋がりかねないことに、私達は配慮すべきであろう。

 
その二 ★★★★★
 ローマとカルタゴの大戦争を通じて、地中海世界の覇権をローマが握っていく様子を叙述。
 ハンニバルもスキピオも、頭良かったんだなあと感心します。ハンニバルがイタリアに攻め込んだ時、逃して悔やむべきだったのは執政官ではなくてそのそばにいたスキピオだったというくだりには、運命というものは不思議だと思わせられます。
 ハンニバルの敵をだまして勝利を得る方法は、スキピオの学ぶところとなりました。
 戦術というのは、ただ包囲すればいいというものでなくて、戦力の情報をいかに状況に即して処理することなのかもしれません。
 
 スキピオがでっち上げの裁判にかけられて、法廷で「今から神殿に感謝を捧げに行くから一緒に行こう」と皆に呼びかけて出て行くシーンはなかなか感動的です。

 それにしても、ローマが勝者となったのは戦争中のあり方以上に普段の国家システムや政策がすぐれていた点にあるのでしょう。敗者をも自分の内側に包み込む点などがそれです。
スピキオvsハンニバル〜両雄激突〜 ★★★★☆
 塩野氏の作品【ローマから日本が見える】…ここで【ローマ人の物語U ハンニバル戦記】の存在を知り購入。ハンニバルの戦略によりローマは苦戦を強いられるが、スピキオの登場、又、執政官就任により戦況は変化。ハンニバルという個人の力に頼るカルタゴ。スピキオを中心に組織力で勝負に出るローマ。個人vs組織でもあり、ハンニバルvsローマといわれる所以である。戦略家ハンニバル。そのハンニバルを見て育った…スピキオ。敵同士ながらも師弟関係の要素も含んでおり(塩野氏曰く)、見どころ満載である。
祖国を守るとは ★★★★★
 イタリア半島をほぼ手中に収めたローマが、地中海の覇者カルタゴを倒すまでを描いた第2巻である。大きく分ければ、シチリア島の覇権を争った第1次ポエニ戦役、父の汚名をそそぐために今のスペインを地盤としたハンニバルがローマに攻め込んだ第2次ポエニ戦役、そしてカルタゴが滅亡する第3次ポエニ戦役になる。

 なんと言っても圧巻はハンニバルがイタリア半島に攻め入り、ローマ軍団を散々に打ち破る第2次ポエニ戦役である。天才ハンニバルはイタリア半島の南半分を占領し、数年間耐えるのだが、本国カルタゴが全く援軍を出さない。祖国を思う者を大事にしなくていいのかカルタゴ!

 やがて耐えに耐えたローマはハンニバルの戦術を自分たちのものとする。また、ローマにも天才スキピオが現れる。スキピオはハンニバルを直接攻撃せずに、カルタゴを襲う。ここに至ってカルタゴはハンニバルを本国防衛に当たらせるが、時既に遅し。ザマの地で一敗血にまみれたカルタゴは、やがて市民全員が殺される羽目になる。

 戦闘の記述が多いが、とにかく図面が豊富で戦術が理解しやすい。説明も丁寧なので、読者はあっという間に2000年以上前のローマ世界に取り込まれること請け合いである。
いよいよ歴史が動き出す!! ★★★★★
著者本人の『歴史は人が作る』という言葉を借りれば、
いよいよ本書第2巻からワサワサと人が動き出し、
歴史を作り出してゆく大動脈のようなものが感じられる。

これはもちろん、膨大な資料を精読した上での著者が、
読者の情感に訴える術を駆使して、
大変興味深いものに仕上げているのもあるのだが、
登場する人物がこの時代だけでなく、
現在までを含めた中での超スーパースターだから、
申し分なく面白いし、
歴史の喜怒哀楽を体験できる。

戦国武将などがかすんで見えるくらいにどでかいドラマティックさで、
ページをめくる手が止まらない。

ハンニバル、スキピオだけでなく、
数多くの英傑たちが創り上げてきた地中海世界。
歴史の息吹を感じられずにはいられない。

現在社会を生きる上でのヒントも所々にちりばめられていて、
まさに歴史は人が作るの真骨頂である!!

素晴らしかった!!