インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

不毛地帯 第3巻 (新潮文庫 や 5-42)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
理想は ★★★☆☆
壹岐正と秋津千里

仕事に打ち込む壹岐正と秋津千里といる壹岐正

どちらが理想か
壱岐正はいったい誰と戦っているのか? ★★★★☆
レビュウ題のとおり、後半へ進めば進むほど主人公壱岐正はいったい誰と戦っているのか?という疑問が大きくなる、これはとりものなおさず壱岐のモデルとなった元大日本帝国陸軍中佐・大本営参謀の瀬島龍三の生涯そのものが放っている胡散臭さを小説化しても消すことができなかったからでしょう(第1巻の私のレビュウをぜひ参照されたし)、

物語の豪快な面白さに糊塗されて見落とされがちだが、作品中で見せる壱岐正の処世術が実に詭弁に満ちたものであり、つまり姑息・狡猾と陰口されても仕方がない面をたぶんに有していることを忘れてはいけないとおもう(絵に描いたような悪役として登場する鮫島の処世のほうが納得できる読者もたくさんいるでしょう)、壱岐正の狡猾さはけっして「正義」や直江謙続がいうところの「義」などには目もくれない出世主義者特有のものともいえ、その人物の属する組織によっては組織の存続自体を危うくする危険極まりないものであることに気付くことも重要でしょう(瀬島龍三の狡猾さのためにいったいどれほどの日本人が犠牲になったかなど興味ある読者は類書をぜひ探られたし)、

山崎豊子が豪快な作風を開花させた白い巨塔や華麗なる一族では財前五郎や万俵一族のような魅力ある悪人たちが登場し、そうあるべき人物がそうあるべき場所で活躍する、といった物語作りの冴えからどんどん無理がでてきるのと感じます、壱岐正のあいまいさは続く恩地元をウルトラ善人として描写せざるをえなかったなにか読者には知りえない圧力のようなものがあるのでしょう、

私は昭和史の許すべからざる人物の筆頭の一人に瀬島龍三をあげるような歴史観をもっています、壱岐正が劇中で見せるような狡猾さを瀬島もかつて帝国陸軍内部で発揮していたことは多くの評伝等の記述から明らかであり、どのような意図を持ってかかれたかはわりませんが本作が瀬島龍三の復権に一役かったという事実だけは大声で批判しておかなければならないと考えます、
新たな戦いの始まり ★★★★★
商社で大活躍の主人公、元軍人の壱岐に、大きな転機が訪れます。
転機はは家庭の中で起こり、その後仕事面で起こります。
舞台は東京から壱岐が社長となって赴任するニュー・ヨークに移り、壱岐は日本の自動車会社とアメリカの自動車会社を提携させるという大きなビジネスにうってでます。
物作りに誇りを持ち優れた技術を持ちながらも営業や経営面でまだ未熟な日本の会社、世界に食ってかかる傲慢なアメリカの会社、国際化に疑心暗鬼ながらも保守主義から移行していく通産省、など、1969年前後の日本社会が抱く葛藤が見えてきます。

ちょうど現在放映されている「官僚の夏」に、似たような雰囲気を感じるのは私だけでしょうか?秋からの唐沢さん主演のドラマが、とても楽しみです。
やや中ダレ ★★★★☆
三巻では、日本企業による海外進出の始まり(高度成長)と外資自由化を迎えつつある時代を背景に商社マンの戦いを描いていますが、個人的には、重厚長大な作品にあってやや中ダレしている気も否めません。

大人になって久しい今となっては、政治的駆け引きや寝技に重点が置かれ過ぎている気もしますが、これを読んだ少年当時は「商社マン」に憧れたものでした。

自動車提携交渉 ★★★★★
近畿商事が主導する千代田自動車とフォーク社の提携
がまとまりかけた矢先、東京商事の鮫島がフォーク2世
会長につけ入り、東京商事が仲介する東和自動車との提携を
決めてしまった。その理由が、鮫島が体長5メートルもある
カジキマグロを釣り上げ、会長を感動させたから。w
(ここの釣りの描写は結構好きです。凄まじさが伝わってきました。)

嗚呼、これも頑張っても報われないシリーズです。

で、近畿商事はというと、この案件はこの小説の主人公である
壱岐正がやっていたが、彼を良く思っていないライバルの
里井副社長が割り込み、案件を頓挫させてしまった。で、さらに
心臓病で倒れてしまう。

壱岐は結局無傷で、大門社長の信頼を逆に厚くさせることになった。。。

ちなみに鮫島は名前のとおり、1回敵に喰らいついたら死んでも
離さないという。里井の心臓をも食い破ってしまった。