映画から入った人間にはショックな作品かも
★★★☆☆
トヨエツ氏としのぶちゃんの映画に感動して原作を読んでみました。
感想は・・・う―――ん。
性描写、しつこいです。少し変態かも。
後、二人が出会ってから事件、裁判、収監・・・と時間系列で話が流れています。
少し冗長に思える流れです。
してみるとこの原作を映画化した構成スタッフはかなり上手かったんだなと実感しました。
まず最初に事件があって、時間をさかのぼるようにして話を作っていきましたからね。
良かった部分は・・・冬香が旦那さんを拒絶する心理状況ですか。
最初から好きじゃなかったんだなあ・・・となんとなく。
ああやって仮面な夫婦生活を送っている方も多いだろうなあという感慨が残りました。
あと村尾さんのラストの台詞は映画版より原作の方が何故かしっくりいきました。
以上、女の感想です。
いやだあ・・・。
★☆☆☆☆
美味しいものも食べられず、旅行も箱根の一回きりで、落ちぶれ作家にひたすら奉仕させられ挙句の果てに首絞められて殺されて、こんな恋愛、いやだあ・・・。
不倫は大人の白昼夢
★★★★☆
日常の雑多ないろいろなことに鈍感でいることは
夫婦生活にとって 実は大事な事で
満たされないアレコレというのは実は誰にでもある ものなのだ
ちょっとした事やきっかけが呼び水になり
その鈍感な部分に 気づきが入り
その『こころのすきま』を 埋めるような人が表れると
あっという間に 流れるように 隙間を埋めてくれるひとに
身も心も動かされる
それが不倫なのだと思う
『愛の流刑地』は 話題を呼んだ
日経新聞に掲載され連載を楽しみにしている友人もいた
満たされない 心の隙間を 埋めるように愛し合った結果
愛は深みにはまり 精神の絶頂とカラダの絶頂が交差する沸点で
『殺して欲しい』という言葉が漏れた
それが あの結末へと導かれる
日常の刺激と
愛し合う刺激は
実は世界が違う
愛し合う刺激はこの世の快楽では崇高なるものだろう
最高で崇高なる刺激を
乾いた精神に 乾いたカラダに注ぎ込まれたら
こころ ここにあらずである
カラダは牛が食べたものを咀嚼するように
何度も愛し合った瞬間の刺激を繰り返し
自分の意志があるとないとに関わらず
思い出すのである
不倫は実生活とはかけ離れた 大人の白昼夢である
大人のおとぎ話のような作品だと思った
結末が哀れなのが実に良い
現実的です。
★★★★★
渡辺淳一の小説で初めて読んだ作品です。特に後半は、異性ながら菊治の心境が痛いほどよくわかり、涙が止まりませんでした。リアリティに富んだとても哀しいお話でした。
さすがの筆力
★★★★☆
「男が女を快くしないことは罪ですが、死にたくなるほど快くすることは、さらにさらに大きな罪なのです」
この一文が、『愛の流刑地』のテーマである。もちろん、だから女をあまり快くさせ過ぎるなと言っているのではない。むしろ、女を快くすることを軽視する世間の風潮への警鐘を鳴らしていると言ってよい。
セックス至上主義的な主張に、反感を感じる人も居るだろう。だが、菊治と冬香の濡れ場を繰り返し繰り返し描きながら、次第に女として開花していき、やがては死に引き付けられていく冬香の描写はさすがに凄い。前半の二人の逢瀬の描写の積み重ねが、対比として後半の菊治の孤独感を際立たせる。この筆力はさすがである。