星一つの評価を付けたレビュアーに問う
★★★★☆
まずはじめに、あなたの性生活を省みてください。
あなたが男性なら間違いなく、一人の女を「死ぬほど快くした」こともないでしょうし、
女性ならば、すべてを投げ打ってでも男を愛するほど「快くなった」こともないでしょう。
そういう人間にレビューを書け、ということが土台無理な話です。
たった一人の人間も満たせないレビュアーが、著書で何万、何十万もの人間を満たしてきた作家を批判するのはお門違いです。
この小説があまりに実生活とかけ離れていて感情移入できない、とお思いならあなたの人生がいかに平凡で幸福であるかに気づくべきです。
日常では体現できない非日常を通して人間の本分を描き出すのが小説であり、芸術です。
ありえないとか無理があると文句を言う前に、もう少し想像力を働かせてください。
誰にでも冬香や菊治のような運命が訪れる可能性があるし、その悲劇を現実にせず妄想で代償させるために想像力があるのでしょう。
そういう意味では設定は完璧です。新百合ヶ丘に住んでいる主婦が箱根にロマンスカーで一泊旅行に行く場面など、
沿線の人間にしてみればリアルすぎて参ってしまうくらいです。自分の隣に本当に二人がいるのかも知れない…と思わせます。
上下巻を比較してみて、泣き所はすべて下巻に詰まっていると言っても過言ではありません。
しかし、どちらが劣っているとか優れているとかいう比較の問題ではないでしょう。これは上下で一つの作品なのですから。
ただ、渡辺作品を何作も読み続けてきた感想としては、文章の緻密さや丁寧さが失われて、表現や構成が単調になっていることが否めません。
これは新聞連載の宿命なのか、それとも携帯電話メール社会を反映してのことなのか。
全体に読み易いけれど俗っぽくなってしまったのは非常に残念で、そのため★四つです。それもひとえに、読者の質が下がってしまったが故でしょうか。
開いた口がふさがらない。。。
★☆☆☆☆
あほらしいの一言。
上巻は繰り返し繰り返しの性描写だけ。
下巻も100頁近くなって、やっと物語に進展が。
殺人を犯しておきながら全く反省の色がないばかりか、唖然とする理屈を述べながら、自分を正当化する主人公に感情移入などできる道理もない。
「愛だけは、いかなる国家権力も介入することはできない。いいかえると、自慰こそ身柄を拘束された男の、唯一の反抗の手段でもある。」(P197、L15−16)
頭がおかしいとしか思えない叙述。
しかも息子に、悪いのは殺された被害者であり、殺した本人は被害者だと言わせる件など、常識を逸してる。
法律批判も、結局は異常な妄想に発展していくし、人を殺しておいて被害者を「死ぬほど快くしたのが罪」とは開いた口がふさがらない。
下巻は、面白かった。
★★★★★
賛否両論はあるにせよ、一事は駄目押しされた菊治の小説が、ベストセラーになるところなど、いい本でも売れない現代の出版事情を暗に毒づいているのか?ある面、世の中の渡り方を教わったような?人それぞれに受け取り方は、あると思いますが、人を愛して、殺めて、でも本当に愛していたのなら、憎しみや怒りで引き起こされる事件よりも、変な嫌悪感もなく、裁判もそうだよなと思いながら読めました。平井堅のエレジーが頭の中に鳴り響いて、映画はどうなんだろう?と思いながら、CMで怒鳴っていた豊悦とか、思い出しました。ああ、豊悦も菊治の役をやるようになったかと感慨にふけてみたり。渡辺先生は、基本的には、生き方上手、人生楽しく生きようと考えていらっしゃる方なので、まあ、よしとしました。
ありえない…
★☆☆☆☆
菊治 自己チュー過ぎ。
冬香 母親の自覚無さすぎ。
渡辺淳一って、ただのエロ爺じゃん。っていうか、世の中の爺は、セックスの時「いいわ、あなた…」と言われたいんですか?
留置所や拘置所で自慰行為に及ぶなんて、認識力無さすぎです。
様々な利点
★★☆☆☆
上巻と同じく下巻も抱腹絶倒です。
これが映画化されて試写を見た作者は、これが愛の世界だと感動し
随喜の涙が漏れたそうです。
かような作者をして書かれた小説は、読者をして
馬鹿馬鹿しさの極地に遊ばせてくれ、
読後は新しいうちに新古書屋に売れるという利点もあります。