「ゴーグルがかれのからだ燐光性の蛾をなめる、尻毛を通してオレンジの後光がペニスを包んでちらつく。眠りの中で、はだかのパナマの夜、カメラは青い静寂のなかで脈打ちオゾンが香り、ときには小部屋の壁が全部紫世界へと開く。内蔵と大便の動きのX線写真、かれのからだは透明な青魚。」
本文P158より引用
この文章を読んで面白いと思える人はどれだけいるだろうか。恐らくごく少数だろう。
ある人は必死になって意味を探し、それなりに結論を作るだろう。またある人は「ツマンナイ」の一言で読むのを止めるだろう。あるいは麻薬の幻覚症状に繋げて意味を見出す人もいるかもしれない。
この本はそうやって、読む人それぞれの感性、想像力や知識によって何色にでもなる。
元となる文章はバロウズが持ってきているので意図はあるのだろうが、それが伝わらなくて何の問題があるのだろう。
間違って受け取ったって何ら問題ない。楽しんだ者勝ちだ。