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Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

価格: ¥778
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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感服 ★★★★★
Xの…とは違い
さすがのレーン氏もてこずってしまいます。
その姿を見てとても切なくなってしまいました。

設定は誰もを疑いたくなる
ような設定なので、誰が犯人でもおかしくは
ありませんが、怪しい人は法則通り
疑ってはいけません。

しかしそこから先のこれはないだろう、
という虚をついてくる犯人の設定です。
なので判明したときの驚きは
ひとしおなはず。

ただし、真相が真相上
読後感はあまりよくはありません。
本格ミステリで最初に読みたい本 ★★★★☆
少年探偵団や子ども向け「ルパン」シリーズを卒業して、最初に読んだミステリが本作です。今から35年ほど前のことです。とてもラッキーだったと思います。
今から考えると、“犯人の意外性”という魅力は減じていますが、あの独特の雰囲気が好きです。日本では極端に高い評価を得ていますが、こういった雰囲気も人気の一つでしょう。
この作品からミステリの世界に入る人は幸せだと思います。
支配するもの、汝の名は…… ★★★★★
 本格推理の名作「レーン四部作」その中でも最高傑作としてあげられるのが本作「Yの悲劇」です。前作「Xの悲劇 (創元推理文庫)」はあくまで主人公ドルリー・レーンの紹介のためのエピソードで、本作から「レーン四部作」の隠れた真のテーマが始まるのだと私は考えています。

 陰鬱な空気が支配するハッター家を包む死の翼。当主の自殺に始まり、盲目で聾唖の娘の毒殺未遂。そして事実上の家の支配者であった婦人は、マンドリンを凶器にに撲殺される。残されたのはヴァニラの香り―――
  
 異様な殺人、不可解な証言、奇妙な手掛かり。事件全体を支配する意思―――「探偵小説」

 この邪悪な空気に満ちた事件に、レーンの推理がいかに挑むか。そして迎える真相に彼がとった態度とは―――

 「これは罪と罰の問題だけで済むことではない。この中には、病理学や異常心理学、社会学や倫理学の問題が渦を巻いて介入しているのです……」

 最初から最後の一ページに至るまで、この作品はある意思の支配下にあり、対する探偵レーンの行動と沈黙もまたそれと同様の意思に支配されていると私は考えます。穿った見方かもしれませんが、その意思こそが「レーン四部作」の真のテーマなのです。

 読んで確かめてください。支配する意思、その名は―――
時代性 ★★☆☆☆
傑作と言われるので読んだが・・・正直そこまで凄いとは思わなかった。

というのも、この作品が発表された当時は「意外な犯人」だったんだろう。
しかし、現在となっては、意外どころか「コイツしかいないでしょ」っていう
人物が犯人なのである。意外性を認めるかどうかで評価が分かれる作品。
現代のミステリーファンだったら、おそらくすぐに犯人が解る。
ただ、犯人は解ってしまっていても、見せ場である「頬の感触」と「ヴァニラの香り」が
判明するくだりは面白い。
なぜか日本でだけ超有名 ★★★★★
 エラリー・クイーンのバーナビー・ロス名義による四部作中の第二作で、評価の点からいえば第一作の『Xの悲劇』と拮抗しているものの、少なくとも知名度においては他作を圧倒している名作。クイーンはマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイのコンビによる作家であるが、ロス名義の作品が実はクイーン作であることを当時隠しており、二人のうちの一人が覆面をかぶってクイーンvsロスの対談(論争)も行なったことがあるというのだから、何とも手が込んでいる。
 狂った血の流れたハッター一族の家長であるヨーク・ハッターの死体が海から揚がる場面によって悲劇は幕を開ける。「私は完全に正常な精神状態で自殺する」という完璧な遺書は、しかし事件の終わりではなく始まりだった。同家に住む全盲のルイザ・キャンピオンに毒が盛られ、その直後に母親のエミリー・ハッターがマンドリンで撲殺される。元俳優で耳が聞こえない探偵ドルリー・レーンが捜査に乗り出すが……。
 本作の最大の魅力はやはり犯人の意外性であろうが、クイーン作の中で『Yの悲劇』の人気がこんなに高いのは日本だけというのも興味深い。昔は海外ミステリベストテンの常連だった本作も、最近では圏外に去ることが多いのは時代の流れだろうか。
 かつて学友と議論したことがある。なぜ犯人は最後の最後であんなヘマを犯したのか? 答えは言わずもがなだと思うが(犯人のヘマではない)、その点にこの作品を(モラルもしくはリアリティの観点から)支持できない読者もいるのかも知れない。とはいえ読んで損することはないミステリーの古典である。