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悪霊島 (下) (角川文庫―金田一耕助ファイル)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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往年の迫力が失われ ★★★☆☆
週刊文春1980年 総合7位

金田一耕介の最後の事件『病院坂の首縊りの家』の発表後、2年後に本作品が世に出たことになる。「ぬえの鳴く夜は恐ろしい」のキャッチフレーズで有名な映画化が、比較的すぐに開始されたらしいので、映像ありきの作品と思えてしまう。

『病院坂の首縊りの家』でかなりガッカリしたので、本作品の方が、まだしもとは思うものの、往年の迫力は失われている印象が強い。なにせ、殺害現場に”見立て”がないんで、キーワードはちりばめられているものの、作者の特徴である練り上げたどろどろ感が、ほとんどない。過去の作品の寄せ集めのようにも見えて、早く先を読みたいという気にさせてくれなかった。
面白くないわけではないけれど、なにせ、金田一シリーズですからねぇ。絶頂期の作品と比較するのは酷かもしれないが、前作で終わっていた方が良かったんだろう。残念。

でも、70歳代でここまで書けるってことは、大作家ってことなんだよなぁ。やっぱり。
狂気ものが嫌いな人は要注意! ★★★★☆
これはかなりきつい狂気が入り混じっていますね…
そんなわ毛なので間違いなく万人受けなんかしません。
最後のほうなんかはただただ「狂気」でおわってしまいますから。

でも、ある意味悲しいですよね。
ある「一件」がなければこんなことには
ならずにすんだのですから…

そしてそんな中にも皮肉な
めぐり合わせもありましたね…
でもそれが間違っていたということ…
皮肉です。

人間の憎悪のきわみ…
怖いものです。
横溝有名作品の中では最低のデキ! ★☆☆☆☆
横溝正史最後の長編作品として知られるが、そのデキたるや有名作品の中では最低。

刑部島という島に渡った男が姿を消し、金田一耕助が消息探しの依頼を受けたが、久しぶりに会った磯川警部からその男は、シャム双生児を見たらしい奇怪な言葉を残して既に死んでいると聞かされる、というところから、どっぷり奇怪な島の奇怪な事件に巻き込まれるというものだが...。

シャム双生児、とくに「あいつは体のくっついた双子なんだ・・・・・あいつは歩くとき蟹のように横に這う」という登場人物の言葉からは、江戸川乱歩の「孤島の鬼」を連想させるし、あるいは同書のオマージュとしての意図があったのかも知れない。

しかしはっきり言って、作者は「仮面舞踏会」の頃に筆を折るべきだったのだ。もうその頃から年のせいだろう、論理の破綻が明らかになりつつあり、本書に至ってはもうメタメタ。
なんでこの犯人が双子の片割れを殺さねばならなかったのか? 到底ありえないことだし、なぜそうしたかの説明も一切ない。
単に犯人は気が狂っていたというだけで、読者が納得するとでも思っていたのだろうか? いや、おそらく年のせいでそこまで頭が回らなくなっていたのだと思う。
総決算 ★★★☆☆
 下巻は怒濤の勢いで進んでいく。横溝の好きな洞窟の話で、陰惨な破局へと進んでいく物語は、とても晩年の作とは思えないほど力強い。
 ただ、物語の質としては、あまり評価できるものではないだろう。裏切られたような気分になる。
 とはいえ、性のテーマというのは、横溝の多くの作品を通じての問題関心だったのも事実。その意味では、色々なものが凝縮された一冊と言えるのかも知れない。
 作品としての出来はともかく、横溝ファンなら読んでおくべきだろう。
休筆時代の10年間が生んだ結晶なのだが・・・ ★★★☆☆
横溝正史が休筆時代に十年がかりで考えただけあって、細部まで伏線が練りこまれた労作だと思う。しかしながら、冗長な箇所が非常に目立ち、どれほど長くても2/3に抑えるべきだったと感じられてならない。
嵐の夜の殺人、ずぶ濡れの蓑、シャム双生児など、鮮烈なイメージを喚起される道具立てに事欠かないが、最大の問題点は、クライマックスの緊張感のなさだろう。大勢で物見遊山のように、犯人のところへ押しかけたのではせっかくのスリルも台無しである。これも著者の、登場人物に対する優しさゆえだろうか?キャラクターたちを孫のように可愛がり、不憫な思いをしないよう慈しむ余り、こうした展開を選んだ気がしてならない。残念だ。