「CRM(Customer Relationship Management)」とは、顧客に対する情報管理を高度化し、より効率的に営業活動を行おうとすることをいう。たとえば電話注文を受け付けるオペレーターが、顧客の発注履歴等に基づいて営業活動を行ったり、過去の発注情報から顧客の嗜好や消費傾向を分析し、それに応じたキャンペーン情報を送付することなどが挙げられる。
前作『「コールセンター」のすべて』では、「顧客の維持」「顧客の満足度向上」「顧客シェア重視」など顧客との関係をより密にすることが経営戦略上、最も重要な要素になってきているとし、CTIを中心としたコールセンターの構築法の企画から運用までの解説をした。本書は「eCRMへの挑戦―実践編」という副題どおり、コスト削減をはじめとしたコールセンターの悩みにズバリこたえ、さらに顧客管理から一歩進んだコールセンター、Webやメールを多用したeCRMの導入にまで言及している。
インターネット環境がブロードバンド化してきている流れのなか、eCRMはブロードバンドのキラーコンテンツといわれている。これから今以上にeCRM(コールセンター)が注目されるのは間違いない。企業のネット戦略の担当者はもちろん、インターネットはややっぱり人のネットワークだと感じている人におすすめの1冊だ。(保坂昇寿)