日本人によるマザーの本の場合、マザーの宗教的側面を極力無視して「ヒューマニストのお手本・マザー・テレサ」像を作り上げているものが一般受けしているようですが(マザー自身は「自分は福祉事業をしているのではない、信仰者として奉仕しているのだ」と、ことあるごとに強調しているにもかかわらず)、この本はヒンズー教徒インド人である著者の目から、マザーの信仰についても詳細かつ冷静に観察しています。
また、あまり取り上げられることのない、マザーの経済哲学(政府や教会からの補助金は受け取らない、こまかい会計はやらない)や、当局との関係の持ち方についても率直に書かれていて興味深いと思います。
沈黙の果実は祈り。
祈りの果実は信仰。
信仰の果実は愛。
愛の果実は奉仕。
奉仕の果実は平和。