中学時代の先輩×後輩。
明るくサバサバしていて俺様系の攻・番瀬
人付き合いが苦手で無愛想な美人の受・上村

一番最初の出会いは中学のバスケ部。その後、上村が入社した会社で再会。
人付き合いが苦手で仕事のことや職場の人とのやり取りに知らず知らずの内にストレスを溜め込んでいた上村。
そんな彼を救ったのが番瀬。
番瀬は上村の突っかかるようなツンケンした態度にもどこ吹く風で自分のペースにもっていく俺様さんです。
強引で俺様なんだけど、なんだろ・・・爽やかな俺様？嫌みな感じが無い。
上村は愛想も可愛げも全くない自分を飄々と我が道に引きずり込む番瀬に翻弄されつつも心を開いていく。
ツンデレだけどワンコ(笑）なんか可愛げないのに可愛い(笑）

この二人、流れというかなし崩しな感じで中途半端な触れ合いを続ける関係になってしまうのですが、
上村は「恋」だと自覚していない。いや、自覚しないようにあえて考えないようにしてます。
番瀬はこの頃にはもうきっとちゃんと好きだったんじゃないかな・・・
そんなぬるま湯な関係が上村の中でハッキリと「恋」に変わった（恋と認めた）直後、番瀬が消えます。
その後の展開はぜひ読むべし。
その展開を知って、タイトルの「恋になるなら」という意味がわかった気がします。
なんか切なくてもどかしい！
二人の想いが込められてます。本当に。

個人的に数年後の二人がすごく気になります。書いて欲しかったです渡海センセ・・・

不器用で人付き合いもヘタ。でも伴瀬とだけは一緒にいられる。何となく完全とまではいかなくても素直になれる。
そんな上村、めちゃ萌え。
ともすれば伴瀬のワンコのようにさえ見える。
そこまでワンコ受じゃないし、内容はもっとシリアスなのですが、でも思わずかわいいねえと頭撫でてあげたくなるような萌え性格です、上村。

対する伴瀬は確かに俺様。爽やか俺様。
上村にちょっかいを出してもおいそれと本心が見えてこない。わざと遊んでいるような態度できわどいところを避ける。
こりゃ上村、伴瀬には勝てない。

爽やか青年ＣＰだけど、結構話は重かったり。重いけど、どこか飄々としていたり。
話全体が妙に穏やかに進んでいく。だからこそ後半一層切なくなる。
キリキリとしたわずかだけど連続的切なさが好きな人にはおススメ。

途中、あれ、どっちが攻め？と解らなくなる感じがある。でもこれは年上俺様攻×年下人きらい受

私も最初、「再会の恋愛モノ」としか考えず、
前半まで読んでいる間はそれでもとても心地よく
面白かったのですが、

攻が口を濁す理由も“そういう”内容だと
思わなかったので、まさに「してやられました」

渡海さんの作品は激しい起伏のないことが多いので、
好き嫌いがあるかもしれませんが、その緩やかさが
かなり効果的でした。

緩やかなぶん、展開が読めてしまうような伏線は
さらりと流れて、いい意味で「恋愛ってどうなるか分からない」
を楽しめます。

ただ感動の結末に落ちるだけの「お約束恋愛映画」じゃない
細やかさで、納得のお話。むしろ後味がちょい甘なのがイイ。

なんとなく、『どうしても触れたくない』（コミック）
を読んだときに湧いた感情に近いです。（内容は別にして）