軽快!
★★★★★
薫くん、千太郎、律っちゃんの3人のキャラがドンドン活き活き描かれてきて、この作品にハマってきました!
自分ばかりが寂しいと思っていた薫くん、千太郎(兄弟や優しい母に囲まれて幸せそうに思っていた)
の生い立ちを聞きます。
自分も「千太郎そうだったのか!だから牧師さんが気にかけていてくれたんだね〜」(涙)でした。
そして2人の友情が深まり、とても爽やかな気持ちになりました。
小難しい理屈無く軽快、でも決して底が浅いわけでは無く仕上がっていて、
この作品は年代関係無く読み継がれていくように思いました。
男性にもおススメです。
変わらない青春群像
★★★★★
千太郎の過去が明かされ、
律子と薫の関係に一つの区切りがつき
そして千太郎と薫の友情に信頼が生まれた
そんな巻でした。
1966年の九州を舞台に繰り広げられる青春群像。
服装や髪型、時代背景、流行は違えど
恋に、友情に翻弄されながら、鮮やかに青春を駆け抜ける
高校生の姿は昔も今も変わりません。
この作品には決して派手さはありませんが
それでも「この時代をもう一度やり直してみたい」
という一種の感慨深いものが
純粋に胸にストンと落ちてきます。
ネットも携帯電話も、そしてテレビすら一般的でなかった時代の
ゆっくりと流れる青春時代のど真ん中を生きる登場人物たちの
ほろ苦い悩みが画面いっぱいに溢れています。
今更ながら
高校時代って一瞬しかないんだなあと痛感させられる
そんな作品です。
薫と千太郎、ふたりの友情が深まっていく姿が、ハートにナイス・ヒット!
★★★★★
1966年の九州・福岡県にタイム・スリーップ! 登場人物の高校生たちの恋と友情、直球ナイスボールの青春物語に、胸がときめいてしまいましたよ。
第3巻では、薫と千太郎の男の友情が深まっていく姿が、よかったなあ。ふたりが隣り合ってオルガンを弾くうちに、いつしか少年時代の薫と千太郎になっているところ。「モーニン」の旋律をオルガンで奏でる、ふたりの少年の後ろ姿が描かれているひとコマ。じーんとしびれました。
律子への片想いの気持ちをどうすることもできない薫の様子や、薫に対する律子のリアクションも、話として無理なく、上手にすくい上げられていて、感情移入しやすかったな。ひたむきで純情なふたりのやり取りに、本の外の私(いや、本の中に引っ張り込まれていたかも)まで、ドキドキしてきました。
で、続きがすごく気になる終わり方をしているんですね。第4巻は、2009年8月10日頃の発売・・・・・。まだ、だいぶ先やないかあ。くうーっ。五ヶ月後の未来に、タイム・スリップできないものかね(笑)
巻末の掌篇「バグズ・コンチェルト」は、ホラーのスパイスをちょっぴり効かせた奇妙な恋の物語。くすりとさせられるコミカルな風味も気が利いていて、面白かったです。
ファンタジー
★★★★★
小玉ユキさん、久々にヒットの作家さんです。PN?に似合った少々控えめな絵柄に妙にくすぐったく暖かいストーリー展開が好きです。現代離れしている感、最近の少女漫画のメインベクトルとは全く別方向を狙い、かつ「当たり前」の心情を魅力的に描いていると思います。ジャズというキーを絡めてのメインキャラクター達の交流ももどかしくも羨ましく、素敵です。現実は美しいばかりではないけれど、作者が「ファンタジー」とコメントするからにはやはりイイのです。