すばらしい
★★★★★
日本人の思考や振る舞いの根になっているものが何なのかを、武士道という切り口で説明する本。その「根」が武士道そのものなのかは疑問を感じたが、少なくとも「根」を説明するのに武士道が適当なのは理解できるし、また新渡戸稲造の説明がなんといっても素晴らしい。念頭に置かれている欧米人読者の理解を高めるべく(説得すべく)、論理の組み方、例の使い方等々、ある意味よく計算されて書かれていると思う。
例えば、贈り物をするとき、アメリカ人は「これは良いものですから楽しんで」と言うが、日本人は「つまらないものですが」と言って、受け取り側のアメリカ人は「?」と思う。これは昨今の海外在住マニュアルや比較文化論の本に書かれているので多くの日本人の知るところだが、本書の面白いのはアメリカ人読者に向けて、両者の物の言い方が結局は同じ思想/礼儀に基づいているのだと説明すること。品物そのものを重視するか、贈り物をする気持ちを重視するかで表面上の言葉づかいが変わるだけであって、そういう表面上の些細なことがらを一般化して日本人はおかしいとか言うのは誤った推論の仕方だと言ってのけるのはなかなかに痛快。さらに、日本人の礼儀というのは西欧(あるいはキリスト教圏)でいうところの愛に近いことを、聖書を引用しながら説明するくだりは痛快を超えて圧巻。
他にも、古代ローマの歴史、シェークスピア、モンテスキュー、ニーチェ等々が次々に引用されるが、日本人読者としては馴染みの薄い例もあってすらすら読みやすい内容ばかりではない。ただ、これほどの説明が展開されているところを見ると、さぞかし新渡戸は(アメリカ人の)奥さんから日本文化に関してたくさんの(そして難しい)質問を浴びせられたのだろうと想像できて、微笑ましい感じもした。武士道そのものというよりも、このような優れた本とそれを百年以上前に(1900年)に書いた新渡戸に誇りを感じた。
法の支配
★★★★★
1 西洋の騎士道にも比すべき伝統があった
のだと思う。
2 淵源は、BC3世紀のギリシアのゼノンか。
3 また、BC20世紀頃のメソポタミアの
ウルナンム法典だろうか。
教科書
★★★★★
武士道は残酷で悪しきものである、という風な教育をうけてきた自分にとってこの本は衝撃的だった。孔子や孟子に学び、様々な宗教と混ざり合って形作られた武士道という哲学には、人間であるために必要な多くのことが含まれている。それは現代の日本人の思想とは真逆のものである。つまり自分本位や拝金思想をひっくり返したものだ。むやみに愛国を叫ぶエセ右翼や、自虐史観に組して正義を気どっているだけの左翼はこの本を読むべきだと思う。
急激な経済発展の代償
★★★★★
この本を手に取るきっかけとなったのは
「竜馬がゆく」
を読んだことによる。「日本人としての誇り」なるものに少し目覚めるきっかけとなった。
維新という激動の時代の中、日本を想い、日本のために死んでいった志士たちの揺るぎない愛国心の芯となったものは何なのか、
たった100年の間にあまりにも個人主義、功利主義の蔓延る今の世の中に変わり果ててしまったのはなぜなのか
このギャップの理解を少しでも得たいと思い、
この新渡戸稲造氏の名著「武士道」を手にとることとなった。
ここで、本書のように体系的に「武士道」について記述(武士道の起源や源泉、基礎原理など)するのは膨大な分量となるため避けておく。
ここで書くのは、自分が心を動かされた箇所と、今失われてしまった惜しむべき武士道の精神について、ごく一部のみを抜粋して紹介したい。
『武士道は知識のための知識を軽視する』
「知識というものは、それが学習者の心に同化し、かつ、その人の性質にあらわれるときにのみ真の知識となる。知識は本来、目的でなく、知恵を得る手段である」
『武士道は損得勘定をとらない。むしろ足らざるを誇りとする』
「武人の徳とされている功名心は汚れをまとった利益よりも、むしろ損失をえらぶ」
上記は、ほんの一部であり、個人的な主観で抜粋したものであり、「武士道とは?」という問いに正しく答えているものではない。
「徳」「切腹」「仇討」「刀」「大和魂」「女性像」・・・などキーワードをとっても、他に記述したいことが山ほどあるが以下で絞めたいと思う。
本書を読んだ後の個人的感想である。
「義」「勇」「仁」「礼」「誠」の徳を実践し、「名誉」「忠義」に生き、「品性」や「礼儀」を重んじた武士道の精神を、私達はその血を受け継ぎつつも、その血が流れていることを忘れてしまっている。
「花は桜木、人は武士」
と歌われた民俗全体の理想像は、桜の花が散るように、はかなく散り、そして二度と花を咲かせることはないのであろうか。
もしそうだとしたら、維新後の急激な経済の発展による今の豊かな生活の代償は、あまりにも大きすぎるのではないだろうか。
民族性
★★★☆☆
漠然とではありますが、今の世の中、自分も含めて志がないんじゃないのかなって感じました。またそれ自体が稀有なものだから尊いじゃないんでしょうか?
サムライとは決定的に私は違いますがそれでも共感出来る部分があるっていうのが日本人だからなんですかね?精一杯生きたいです。
可愛い、格好良い服のお勧め
★★★★★
武士道とは何か?現代のサムライと古代の武士が何が違うか?武士道の基本原理とは何か?サムライはなぜ強い精神力を持てたか?現代人はなぜ弱いか?どうすれば強くなるか?武士道と商人道はどう違う?
ビヨンド22
★★★★★
西洋の騎士道に勝る、わが日本の心を英語で海外に紹介した。その日本語訳本で、新しく事業を始める人に、二河白道で、不退転の決意を与えてくれそうだ。武士道は死なず!の本物の日本人よいでよ。
管理責任者の書棚
★★★★☆
「武士道」という明文化されていないけれども連綿と受け継がれてきた日本独特の道徳観を、海外の人にもわかりやすく説明したいという思いから新渡戸稲造が書いた有名な本の現代訳です。少数の特権階級が大勢を治めるためには、日々の行動や言動は高度な倫理感や確かな意思に裏打ちされたものが必要だったところから、長年伝えられる過程で洗練されてきた思想です。その精神は現代でも通用するものですので、一度読んでみてください。
ぶりっと書店
★★★★★
新渡戸稲造の原書を歴史作家でお馴染みの奈良本辰也氏が翻訳した本です。注釈だけで30ページ近く
あることからもわかるように、1899年当時の日本人としては非常に広い視野を持った人だということがわかります。日本の「武士道」を、時には西欧の宗教、時には先人の哲学と比較し、「武士道」の精神性を、本来理解してもらうべき日本の姿を、非常に幅広い例を用いて訴えかけています。「武士道」には経典といったものがなく、人から人へ、伝わってきたものですが、「武士道」なき今、結果として本書がその経典となっているような気がします。
白ゆり本花堂
★★★☆☆
◆未読。◆映画『ラストサムライ』により世界中で注目されつある武士の世界…。日本文化好きとしても注目の1冊☆
白ゆり本花堂
★★★☆☆
映画『ラストサムライ』により、世界中で武士道が注目されつつありますね。私はまだ読んでいませんが・・・。ぜひ読んでみたい1冊です☆
★★我が人生のアヤマチの書★★
★★★★★
新渡戸稲造による、日本人の行動様式に関する紹介・解説書。奈良本版(1076円)。他に、台湾元総統の目から見た「李登輝版(1700円)」や文庫版もある「矢内原版(400円)」などがあり、昨今は武士道をテーマとした映画も公開され、大きな注目を集めている。【2号本店「おまかせ!こだま電器店」・「歴史!歴史!さらに歴史!」支店より。】
★★おまかせ!こだま電器店★★
★★★★★
●「義を見てせざるは勇なきなり」とは、「正しいと判断したことを実行しないのは勇気が無いということ」であり、また、「考えも無くがむしゃらに事にあたるのは本当の勇気ではなく『蛮勇』である」ということでもある。神道や仏教の思想をベースとし、あらゆる階級に浸透していった「戦士階級の道徳」は、明治維新の後、次第に失われていった。日露戦争の頃、西欧諸国の人々による不名誉な誤解を晴らすため、我々日本人の真の生きざまを解説した書。●30代を迎え、人生の大方針を決めるための思想書を望んでいた私にとって、この本は大きな救いとなった。日々の生活に疲れ、自信を失った時に読むと、自分の小さな悩みがバカバカしく思えてきて元気が出る。
私が読んだのは奈良本氏の訳。こっちは1000円ちょっとだけど在庫あり。読みやすかった。
与太言庵
★★★☆☆
外人さんが、日本のサムライを誤解いやいや、理解するようになった原因作?。
★★我が人生のアヤマチの書★★
★★★★★
「義を見てせざるは勇なきなり」とは、「正しいと判断したことを実行しないのは勇気が無いということ」であり、また、「考えも無くがむしゃらに事にあたるのは本当の勇気ではなく『蛮勇』である」ということでもある。神道や仏教の思想をベースとし、あらゆる階級に浸透していった「戦士階級の道徳」は、明治維新の後、次第に失われていった。日露戦争の頃、西欧諸国の人々による不名誉な誤解を晴らすため、我々日本人の真の生きざまを解説した書。/30代を迎え、人生の大方針を決めるための思想書を望んでいた私にとって、この本は大きな救いとなった。日々の生活に疲れ、自信を失った時に読むと、自分の小さな悩みがバカバカしく思えてきて元気が出る。