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青べか物語 (新潮文庫)

価格: ¥578
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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根戸川の下流にある。うらぶれた浦粕という漁師町をふと訪れた私は、“沖の百万坪”と呼ばれる風景が気にいり、ぶっくれ舟“青べか”をテもなく買わされてそのままこの町に住みついてします。やがて“蒸気河岸の先生”と呼ばれるようになった私の眼を通して、およそ常識はずれの狡猾さ、愉快さ、質朴さを持ったこの町の住人たちの生活ぶりを、巧緻な筆に描き出した独特の現代小説。 (解説頁・平野謙)
語りが面白い周五郎の現代小説 ★★★★★
周五郎20歳代半ば、浦安在住時代の体験に関わる作品とのことだが、そんなことはどうでもよい。

本書が面白いのは、その“語り(ナラティブ)”である。読んでいて語りを意識させる周五郎作品は珍しく、読ませるお話の巧みさとは別に、先鋭な方法意識を持った現代作家・周五郎の実力のほどを垣間見させる。そのさり気なさがすごいのである。
平野謙のプロにしては朴訥・不器用な解説でもその経緯に触れている。

ほかの現代作品『季節のない街』などと同様に、いくつかのエピソードによる連作形式であるが、本作には“大団円”が待っている。それはアンチ大団円であり、ほとんどカフカ的???

畏るべし山本周五郎!!! ただの人情作家ではない。人情も泣かせるけれど・・・。
古き良き浦安 ★★★★☆
ディズニーランドがあり高級住宅街のある浦安のイメージから程遠い浦安(本書では浦糟)がここにあります。本書でもかかれていますがこの本は著者が6年間過ごした当時の浦安のノンフィクションで実に方言なども忠実に書かれています。そこに住む人々の狡猾でありながら純粋な人間性が非常になごましく、読みながらついつい笑ってしまう場面も多かったです。疲れたときに読むと何となく元気が出る本でした。
うらかす ★★★★★
周五郎翁の作品はどれも秀逸なのだけど、この作品は、
「うらかす」の世界観がビビッドで、まるで西アフリカの
秘境のような人間の精彩さがあって、旅好きの僕には、
「行ってみたいなこんな街」と思わずにいられない場所なのです。
自分自身が、べか船に乗っている姿を思い浮かべてみてしまいます。
昔は蒸気船で、今は地上を走る地下鉄で浦粕へ行く ★★★★★
 浦安という名を耳にして、某遊園地の名以外に連想するものがある人
は希有ではなかろうか。浦安に行ったことのある人でも、街に足を踏み
入れたという人を探すのは一苦労だろう。しかし、まだ所々に漁村の風
情は残り、曲軒先生が住んでいて物語の下地となったであろう姿はない
訳ではない。物語に登場する場所を探すのも一興ではないだろうか。沖
の夢の城よりも確かな物がそこにはある筈だろう。

 この書を読んで妙に鮒味噌が食べたいなどと思った人は、地下鉄東西
線で浦粕こと浦安に降りてみては如何だろうか。もしも都内より来るの
であるならば、進行方向に向いて左側の扉の前に立ち、浦安に着く直前
の旧江戸川の橋梁を渡る時に浦安側の岸に注視してみるといい。
何が在るかは観てのお楽しみである。
浦安・裏ガイドブック ★★★★☆
この物語のモチーフ、浦安(作中では浦粕)は本当に不思議な町です。
大規模なテーマパークを配し、全国から人が集まる顔。
ただ、一歩でも街中を外れて歩くと、そこには古くからの漁師町のニオイが
今でもなんとなく感じられます。
ディズニーランドが出来る前の浦安をギリギリで知っている僕にとって、
この作品は郷土資料集みたいなもの。
そうでない人でも、この本を読んでから浦安をブラブラしてはいかがでしょう?
いたるところにニヤニヤ出来るものがあると思います。