しかし一国の女王ともあろうものがえんえん内面を
吐露する告白を続け、自己発見だの自己啓発だのし
て、百戦錬磨の外交官が感動して大ファンになると
いう展開はどうなんでしょうね?
ニンゲン、正直が一番というか、「外交」ってした
ことないのでこれでいいのかわかんないんですけど。
で、「前半100巻、後半100巻(外伝100巻)」に向けて
盛り上がっている・・・と思えばやっぱ面白いです!
んもう、いいっすよ!
内容的には本の半分程度で終わらせられそうな密室の会話を、あの御仁が相変わらずもったいぶって語ります。
正直、聞いている本人たちには表面的なすごさ(年齢とか)しか実感としてわかないだろうから、
同業者にならともかく、ウンチク語っても無意味なのに・・なぜあの御仁は誰彼なく語るんでしょうねぇ(笑)。
唯一褒められるのは、あの御仁の家来が傷が癒えていないためか、一言もしゃべらなかったところでしょう。
奴がしゃべり出すと、おそらく最後のシーンはカットされていたことでしょう。
次の巻はどこまで進むのでしょうか?ケイロニア軍の出立ができるかどうか・・微妙ですね。
確かに話の中でリンダの成長があったり、意外なメッセンジャー(バレバレですが)がグインに関する重要な情報をもたらしたりと、それなりの山場や見せ場はありますが、それで1冊を潰してしまうのは「勘弁してくれ」という気持ちになります。マリウスやレムスの処遇がわずか数行で片付いてしまう(それまで散々悩む描写はありますが)のですから、ナリスの思い出話やグインへの畏敬の念はほどほどにして、百巻に向けた加速に入って欲しい…というのはやはり、古株読者の我侭に過ぎないのかもしれません。
しかしながら、95巻を読んでいたときも感じたのですが、後4巻で当初の到達目標である「豹頭王の花嫁」に辿り着けるとは到底思えません。畳まれていない風呂敷はあまりに巨大で、このまま未完の物語と化してしまうのではないか、と思われてなりません。もしかしたら、読者にそういう気持ちを起こさせての「大逆転」というのが栗本先生の狙いなのかもしれませんが……などと考えていると本当に、物語以外でももどかしさを禁じえませんね。