本書の著者はそのような場所で教えている作家であり、門下生を十数人デビューさせた実績があるのだそうだ。
たしかに本書の内容はわかりやすい。「小説を書きたい」と思っている人には必読書だろう。
だが、この著者はいったいどうなのだろう。彼は単独で三百冊、共著で二百作出しているそうだ。
「ベスト二十」まで広げると、十七位までに入っている小説は、すべて「アニメの小説化」。オリジナルの小説はその後三冊しかない。つまりこの作家は、オリジナリティに欠けているという証拠だろう。
さらに別名義の作品をも含めて、彼の関わった小説でレビューがあるのはわずか二冊だけ。出してはいるが、それほど読まれていない=評価されていない作家だということになる。
また文章にも違和感が漂う。九割以上が「一センテンス改行」であり、小説ならば許されたとしても、「作家入門書」としては不適切な文章の羅列だ。
まず普通の神経をした作家なら、このような本は出さないと思うのだがなあ。
ともかく本書を手にしようとしている人は、まず彼の「作品=小説」を読んでみるべきだろう(大規模古書店なら百円で腐るほど売られているし、一部古書店では買い取り拒否となっているほどだ)。
そしてその後に、本書を読むべきだ。彼の「作品=小説」ほど、反面教師であることがよく理解できる。
「この状態はあまり良くない!」と思いこの本を手にしました。
読んでみるとやはり夢を破る文言がどんどん出てくる。
「一日に短編を2作書く」とか、「毎日コンスタントに原稿用紙50枚」とか、とにかく甘い考えではとても通用しない。なんとなく自分に踏ん切りがつきました。
夢をあきらめたい人にも、夢をかなえたい人にもお勧めの一冊です。