読者は、小説の中のスケールに圧倒されるととともに、著者の知識量にも圧倒されるであろう。確かに、後者が前者を凌駕することもあり、著者の博学が、話しの展開を邪魔することも少なくなく、ウルサク感じられることもなくはないのではあるが、がしかし、それを補って余りあるディティールをこそ、賞賛すべきであろう。