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ドナウの旅人〈下〉 (新潮文庫)

価格: ¥679
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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最高の心理描写 ★★★★★
 母親ほど年の離れている女性を連れ、死ぬ為に旅立つ長瀬という登場人物の移り変わっていく心理が見事に描かれています。
 旅の途中で出会う人種を超えた人々の温かささ人間臭さに心地よい感動を呼びます。
 このお話は恋愛小説ではなく男性の友情を描いたものだと言えると思います。
ちょっと長すぎかな ★★★☆☆
長かった。上下巻合わせて800ページの作品だし。内容はお母さんの熟年離婚をきっかけに17歳年下の男とウィーンに旅立つところからはじめます。ウィーンで生活してたことのある娘はすぐに母を連れ戻しに行くのですが、母の希望に沿ってドナウ川に沿って旅することになります。現地では昔住んでいた時に結婚を考えていた男性と再会し、事情を話し4人での旅が始まります。それぞれがそれぞれの思いを秘めながら、旅が続きます。読んでいて思ったことはこの作品は1クールで終わるドラマみたいなもんだなって感じです。定期的に問題がおき、それをみんなで乗り越えていくうちにそれぞれがお互いを理解し始める。そして場所を移してまた何かが起きる。それを繰り返していくうちにいよいよラストが迫ってくる。そんな感じです。途中ちょっと長すぎて、飽きちゃいましたが、まあ面白い作品だったと思います。
ドナウ河は大きい ★★★★★
麻沙子・シギー・絹子・長瀬・ペーター。それぞれの思いは、ドナウ河の大きな流れに揉まれつつ、抱かれながらいよいよ終点の地・黒海へ。上下巻とおして緩むことのない緊張感を感じながら、一気に読まずにいられない、そんな小説です。ドナウ河そして東欧の風景、若い二人の心、中年二人の心・・・、が生き生きと描かれており、本当に何度読んでも感動できる1冊です。読後「どうしてもドナウ河が見たい」という思いがつのり、行ってしまいました。ドナウ河へ・・・
ドナウ川の分岐点 ★★★★★
上巻からの続編。宮本輝さんの流れるようなタッチに麻紗子とシギィの愛を中心にさまざまな物語が混ざり合っていく。クライマックスはとても感動的。物語の終わりはただの分岐点でしかなく、その後の登場人物の将来を思い描くのもまた楽しみのひとつである。特に、この物語に関してはその余韻に浸りたくなるはず。