S&M, Vシリーズのリンクおよびその後。
★★★★★
今回は西の園萌絵が主人公です。真賀田四季とかかわった人々の関係が明らかになります.なぜ、瀬在丸紅子の息子が「へっくん」なのか、そうでなければならなかったのか・・。この作品を読んで、森博嗣という人の構成力のすごさ、綿密さに感心しました.えてして、話の中で時間関係に齟齬が生まれ、矛盾が目につく作家が多い中で、膨大なシリーズ作品のリンクを、とくに時間軸を正確に物語を作るという、作者の姿勢に共感を持ちました.ますます、森ファンになった1作です。
作中登場人物の人間関係が一気にわかる一冊!!
★★★★★
森博嗣作品には登場人物別にシリーズわけすることが出来ます。
この「四季秋」という本は、S&Mシリーズ、Vシリーズに登場した人物たちの意外な人間関係を示唆しています。
私はS&Mシリーズから順番に森作品を読み始めました。
S&Mシリーズでは感動をVシリーズでいくらかの落胆を感じていました。
しかし、しかし、この四季秋という一冊の本でVシリーズで感じていた落胆は、至高の喜びになりました。それほどまでに意外な人間関係があきらかになります。
また、この作品はマガタシキ女史のシリーズですが、ほとんど本人には触れることなく進んでいきます。四季ではなくそのまわりの人間関係を探ってみたいと思う人はぜひ一読を!!!!!
さまざまなストーリーを無理して繋いでいる意味は?
★★★★☆
2004年2月29日リリース。僕の持っているのは『四季』の愛蔵版と言われるモノで、これを持っている人にしか手に入らない『豆本』の引換券が付いているという企画モノである。これに象徴されるようにこの『四季』という作品は余りにも企画に走りすぎていると思う。
何しろS&MシリーズとVシリーズの秘密というのが最大の売りであり、そのために無理矢理にストーリーを展開しているのは否めない。ここまでする必要が何故あるのか?最後にはウォーカロンまで登場したりしてきて、ただただ読んでいて苦痛である。作者はどういう意図でこの作品を書き上げたか分からないが、後世に汚点となる作品だと思う。
ただ一つ許せるとしたら『虚空の逆マトリクス』の『いつ入れ替わった?』の後日談みたいな『秋』の部分だけである。四季の生態を読んでいて本当の天才はこうじゃない、と僕は強く感じた。
保呂草がイイと思います。
★★★☆☆
私は森氏の大ファンというわけではないので、他の方のレビューなどを色々と読み、大よそのあらすじは把握してしまった。
だからというわけではないが、衝撃なども感じなかった。
今までの登場人物が出てきたからといって、どうという事もない。
ただ保呂草という男は、人間的にどうのこうのではなく、この小説の中においては、他の人物(林など)よりは好きになれそうな気がしている。
作品そのものは、鈴木光司氏の「らせん」を読んだ時のようなショックはなく、あと「冬」でどのような決着があるか見てみたい。
意味不明 ここに極まれたり
★☆☆☆☆
四季シリーズの意味不明さは、この作品で極まれます。たいてい小説というものは、たとえつまらなくても読み手に対して何かを訴えたり、読み手の心に何かを残すような存在であるべきです。そうでないと学校で本を読むように薦めたりしません。この作品はまさしくこのことに外れる存在であり、なおかつ今までの森博嗣の作品の読者を引き離すには十分な効果を発揮していると思います。