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ニーチェ全集〈8〉悦ばしき知識 (ちくま学芸文庫)

価格: ¥1,728
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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読者に開かれた書物 ★★★★★
若き日に「ツアラストラ」で挫折したが、最近ニーチェ研究家から
入門以後に読むものとして本書を勧められた。
ニーチェに対しては各人各様の理解があっていい。僕の場合は、自分で
わざと人種差別発言をした時に、ニーチェがわかったような気になった。
それでこの本を読むとどの文章もノートに書き写したくなった。
ニーチェは人種(ユダヤ人)差別主義者でも無心論者でもニヒリストでも
ない。そんなものを通り越した深く慈愛に満ちた人だと思う。ただ、深く
深く研究思索した結果、文字通りその底にマグマのたぎる岩盤の近くに
まで行ってしまった人だ。皮相を憎む人なのだろう。
本書でたしかにニーチェの思想の基本がわかる。しかし「わかった」
と思った瞬間、自らの皮相を悟らされる。
ニーチェの文体は一方的に語っているような体裁をしているが、その
見せかけこそ彼の術だ。読者に対して開かれた書物である。読者は否応
なくニーチェとの対話に入らなくてはならなくなるだろう。
「悦ばしき知識」の深い「悦び」を是非味わって欲しい。
悦ばしき知識 ★★★★★
 思いがけない視点と、鮮やかな知とが展開されています。ニーチェ思想の根幹が、この本から姿を現します。この本の第五部は、『善悪の彼岸』が書かれたのと同時期に追加されました)。ニーチェの最重要著作の一つです。

 この本の「狂気の人間」のくだり(125番)で、狂気の人間は「神は死んだ」との言葉に続いて「神は死んだままだ」と叫びます。この「死んだまま」の『まま』にこそ、ニーチェの英知が示されているように思えます。

ニーチェは乗り越えられなければならないあるものである ★★★★★
「ツァラトゥストラ」を読んでニーチェに興味を抱いた方に、次に親しむ本として「悦ばしき知識」をお勧めします。この著作によって、ニーチェは私たちにとって馴染み深いニーチェになります。「神の死」も「永遠回帰」もこの本で初めて登場します。ツァラトゥストラまで登場します。

20世紀を理解するために、ニーチェ、フロイト、マルクスの3人を欠かすことはできません(科学の分野を加えるなら、ここにダーウィンを追加するべきでしょう)。この3人の中で、現在おそらく一番評価の落ちているのはマルクスです。ソビエトの崩壊により、彼は過去の人と思われがちです。でも、本当にマルクスの資本主義批判が時代遅れかどうかは、大いに疑問です。

私の中で一番評価の変わったのは、ニーチェです。ニーチェは危険な思想家です。--というような表現自体、実はニーチェ自身がとっくに自分で言っていることですから今更なんの意味もないのですが、でもこのことはよく考えてみる必要があると思います。

ニーチェは人間を、自分を含む優れた人種と蓄群に区別し、弱者から強者を救え、という逆説を説きました。若い頃の私は、言い換えれば、自惚れの強かった頃の、身の程を知らなかった頃の私は、こんなニーチェに圧倒されていました(身の程を知れ、というのは、私にとっては、汝自身を知れ、という意味です)。

ニーチェを無視することは無意味ですし、不可能だと思います。また、反面教師として扱うにも巨大すぎます。でも私は、ニーチェの思想のあるものは決定的に間違っている、と思います。とすれば、残されている道はただひとつ。ニーチェを徹底的に読み込んで、彼を「超克」することしかないと思います。

ニーチェから何を学んで、どこを切り捨てるべきか、是非ニーチェを読んで、彼の危険な魅力を克服して、新しい方向を見つけていきましょう。