ルクレツィア、登場
★★★★★
久しぶりの単行本化。いよいよルクレツィア・ボルジアが登場した。とっても可憐な少女だが、これからどうなっていくんだろう?ものすごく展開が楽しみ。
チェーザレの力の源泉は、つきることなき探求心に
★★★★★
貴族ボルジア家の御曹司であり、すでに政争の中にほうりこまれているチェーザレ。身をまもりつつ、自分を取り巻き支える大衆の心をしっかりとつかむ。少年の顔、大人の顔をしっかりと使い分けられるのは、やはり天才。
アンジェロという、これまでにない友を得て、活躍の領域がひろがる。
アンジェロ、ミゲル、チェーザレ、個性の際立つ友情の三角形。
惣領さんの画力も十分堪能。
的当て矢のおやじは次の巻でも活躍。続けて読みたくなるシリーズ。
ルクレツィア
★★★★★
様々な意味でそのミステリアスな関係が
物議を醸してきた妹、ルクレツィアの登場。
兄が妹に恋慕したとか、犯したとか、
相思相愛の近親相姦だったとか、プラトニックだとか、
本当にいろいろな憶測は現代においても絶えないが、
カラー扉絵の二人の肖像はたいへん官能的です。
それからつづく話のながれからみて、どうやら
総領版ではルクレツィアの“思慕”がキーになりそうな予感だ。
にしてもラストはたいへん気になる終わり方。
早く次巻がよみたい!
チェーザレとミゲルの「信頼関係」
★★★★★
この巻のミゲルの「(チェーザレを)尊敬などしていない」「人としてはどうかと思う」の言葉には意表を突かれました。
それは3巻の最後で描かれた、ミゲルがアンジェロに「チェーザレをあまり信用するな」と忠告する様子について、「自分であればチェーザレが権謀術数を使うことも受け入れられるし尊敬できるが、お前は理想化し過ぎているので信用し過ぎたらかえって失望する」というニュアンスなのだろう、と個人的に解釈していたからです。
これは「ミゲルはチェーザレをドライに見ている」「チェーザレもミゲルを友情で結ばれた関係とは思っていない(利用価値がある人間としてのみ見ている)」という意味だと思いますが(少なくとも作者はそう描こうとしている)、そうなるとその後のミゲルのセリフにあった「信頼関係」という言葉がふさわしくないように感じ、「これでは信頼関係と呼べるほど強固なつながりにならないでは」と思ってしまったものです。
ただ、その後で気づいたのが「チェーザレもミゲルも進むべき目標や目的が重なっているところがあり、これが大きいのでは」ということです。3巻でのチェーザレのセリフ「意思を持たぬ者など誰が信じるか」にあるように、人間というのは「明確な目的を持ってそれに向かっている傾向」があれば行動が読みやすく、自分と目的が一致していればその人に安心して任せられるところがあるものです。
自分と共通した目的を持って邁進している人間であれば、尊敬の念や友情がない打算の関係であっても「信頼関係」を持つことができ、「無意識に従っているだけ」の信頼関係よりもよっぽど強固な結びつきになる。それに気づいた時は「なるほど。こういう信頼関係もあるんだな」と納得させられるような思いになったものです。
今後、この二人の「重なっている目標や目的」や「信頼関係」が見事に描かれることになった場合、この作品は相当質の高い物語になると思います。
うーん・・・
★★★☆☆
楽しみにしていた女性陣の登場で残念ながら、先行きに不安を感じて来ました・・・。
3巻までの勢いや、登場人物の奥行きのようなモノが感じられなくなりました、ちょっと停滞? ここからがとっても重要だと思うのでどうにか持ち堪えて欲しい・・・と願いながら5巻を待ちます!!