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秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))

価格: ¥710
カテゴリ: コミック
ブランド: 白泉社
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まるで映画のような ★★★★★
脳MRIスキャナーによって、死者が生前見ていた映像が主観によって再現され、それによって迷宮入りしかねない凶悪犯罪を捜査するという近未来SF。ですが、SFというより人間ドラマです。

私は元々この作者の美しい絵と少々突飛ながらもロマンティックでありながら深い作風が好きだったのですが、漫画というのはすごいものだなと唸らされた秀作が第1話。2話以降もすばらしいのですが、第1話の≪秘密1999≫の完成度といったら!
視線にここまで感情が表れてしまう、ということを言葉ではなく絵で能弁に語らせるあのシーンは素晴らしいの一言。
このシーンでは映画≪Love Actually≫でマークが親友の結婚式で撮影した映像にありありと表れていた、ジュリエットへの隠せない恋心、を思い出しました。人って、好きな相手をあんな風に見ているのか…と感嘆したものですが、
これと同じことを漫画でできる作家がいるとは驚異的な。
(と言っても、≪Love Actually≫の方が後なのですが)

漫画、などと言わずに広く多くの人に読んで欲しい作品です。
“メタ”少女マンガとしても読める ★★★★★
繊細なタッチによって描かれる、美しい輪郭を持つ中性的な男子たちと、彼らが織り成す同性
愛的な幻想の戯れ、・・・というよりかどちらかといえばスプラッターホラーに近い、臓物や眼球、
血反吐その他もろもろが乱れ飛ぶSF世界をつむげば、清水玲子の右に出るものはいない。
そこは、彼女一人が孤高にも突き進む独壇場だ。

今作『秘密』は、死者の脳の残った視覚という名の映像情報を元に事件を解決していく刑事た
ちの姿を描いた、近未来SFサスペンスもの。
長編『輝夜姫』は何よりも、いろいろ詰め込みすぎた。晶やゆい、まゆといった数多くのキャラ
クターに、“脳死移植”“月”など数多くのテーマ設定。それだけ筆者の中では、表現欲が渦巻
いていたのかもしれないが、結果的にストーリーがあちこちに飛んでいってしまい、散漫に
なった感が否めなかった。しかし今作は、薪警視正と新米捜査官の青木という定点を中心
に、死者が生者に遺した秘密とそれを解き明かしていくことが中心になっていくようなので、
その心配はなさそうだ。

MRIスキャナーによって再生された、死者の生前に見た映像には主観が混じっているという本
作の肝のひとつである設定。それはつまり、脳の持ち主が誰かを憎いと思って見るのと、愛し
いと思って見るのとでは、写真のような無機的な機械によって映し出された、客観的な人物描
写とは異なるものとなるというのを意味する。冒頭では、そのことによって大統領が生前抱い
ていたほのかな恋心が明かされる。
思うにこれはマンガ、その中でもとりわけ少女マンガの心情描写を逆手に取っている手法では
ないだろうか。主人公の少女の憧れの対象である先生や先輩を、その彼女の主観という名の
ベールを通ったことを強調するために、必要以上にきらびやかに描くことを編み出したのは、何
を隠そう少女マンガというメディアなのだから。

実はこのマンガ、メタ少女マンガとしても読めるのだ。
人に薦めたい漫画がここに ★★★★★
人に薦めたい本には多く出会うが、人に薦めたい漫画にはなかなか出会えない。
おそらくそれは、絵柄が肌に合わなかったり、ストーリーが理解し難かったり、単に面白いと感じられなかったり理由は様々である。
この小説を読む前に、この映画を観る前に、この音楽、この漫画みる前に死ななくてよかったと一度でも思った事がある方、
この漫画読む前に――――と思うことでしょう。
絵柄や描写が肌に合わない方もいるかもしれませんが、
この漫画を読んで‘なんてつまらない’と肩を落とす人はまずいないと思います。
瞬発的な興奮というより、静かに押し寄せてくる津波のような興奮です。
この評価に囚われず、昼休みにでも本屋によってみて下さい。そして何気なく手にとり買ってみる。
本当かよと思いながらページをめくる。
一巻を読み終える頃、どうして今みてしまったんだと悔しがるのはあなた。
重いテーマ。 ★★★★★
人の秘密、という重いテーマの作品。
こんな作品を描けるのは、さすが清水玲子だなと思います。

美しい絵柄と面白い設定で、ぐいぐい物語の世界へ引き込まれてしまいました。

他の人間の秘密を知るということは甘い蜜のようだけど、知ってしまうと……。
さらに、人の秘密は知りたいけど、自分の秘密は知られたくない。

そんな人間の複雑な心理が描かれているなと思います。

いつか、この捜査方法が確立されたりとかして。
そんな場合、もし自分の家族(もしくは自分)の脳を取り出されて見られたりするのを承諾できるのだろうか。

いくら世のため、人のためとは言っても。

いろいろと考えさえられる作品です。

しかし、エンターテイメント性も非常にある。
楽しめます。
幾重にも重なった魅力 ★★★★☆
「秘密1999」は、まず、設定のユニークさに驚かされる。

さらに、その設定だけに寄りかからず、ミステリーとしても読み応えのある展開。

そして、コマ割り、背景、人物が美しく、物語を引き立てる。

加えて、死後、犯罪捜査の為とはいえ、人間の見た物を暴くということはどういうことか、社会的、倫理的な側面にも考えさせられる。

そして、登場人物たちの行動や心情がひたひたと押し寄せ、せつなさが胸にせまる。

最後には、「自分だったら・・」とふと身近な生活を振り返ってしまう。

繰り返し読む度に、視点が変わり、印象が変わり、違った魅力が見えてくる。

さらに、「秘密2001」ではレギュラーメンバーが登場し、それぞれに個性と魅力を見せる。

なんといっても室長、薪の人物像がいい。
まずビジュアルで見せ、次に少々クセのある性格を見せ、さらに洞察力・観察力・行動力にすぐれていると分かり、そして、そんな鉄壁なエリートであるかのような彼が、実は大きなトラウマがあり、もろい人物だと分かり、さらに・・と、次々と多様な顔を見せてきて、見てるこちらは、いつの間にか、新人青木と同化し、薪を助け、支えていきたいと願うようになってしまう。

青木も、薪と全く違うタイプなようでいながら、実は薪同様、カンの鋭さを持ち合わせているようだ。

この二人を中心に、レギュラーメンバーが盛り上げる男達の仲間意識が心地よく、今後彼らがどう交錯していくか楽しみになる。

他には無い設定、ストーリー運びの上手さ、流麗な絵に、社会性に、繊細さ、どこかリアルにも感じさせる距離感、登場人物の個々の魅力と、アンサンブル。
これだけそろえば、定価で買っても損は無いと思う。

ただ、猟奇殺人を扱う設定上、グロテスクな画がちらほらと・・少女漫画にはキツイと思うので☆一つ減点です。