日々進化する作風。努力する作家って好きだ。
★★★★★
著者の11冊目。
12冊目の『わすれな』の第1話だけだから意味を成さない中途半端なシチュ劇で終わってる『わすれな』。
万引き現場を発見されて同校女生徒から性奴隷にされていた少年。二人の間に芽生えはじめるもの『微妙な関係』。
最悪だった以前の母親のせいで素直になれない少年と新しい母親との間に生まれる絆『新母』。
偶然を装った隣のクラスの女の子との出逢い。カマトトぶった彼女にしてやられる『プレゼント』は、伏線が見事すぎて一瞬素通りしそうになったくらい。
愚痴を言いにきた昔のカノジョ。ののしり合いながら互いの感情を昂ぶらせてゆく二人。ラスト1ページが微笑ましすぎて読み返すたびにカラーページの回想シーンとエンドレスにつながる『一歩下がって二歩下がって』。
ニートな少年の唯一の生き甲斐はエロ姉とやること。オチが完全に猟奇な『姉仕様』。
ちんちくりんで怪力女な三月ちゃんは幼なじみの男の子をパワーリフティングして起こしに来る凶暴乙女。熱血青春物語なラスト4ページがこっ恥ずかしいけどステキな『りとる』。
1話だけの時点で無理矢理突っ込んだ『わすれな』のせいでまたしても★5の上に届かなかったものの、今回は単純シチュ劇が一つもなくて物語が濃くて味わい深かった。