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11月のギムナジウム (小学館文庫)

価格: ¥607
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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大好き! 作者初期の短編集。 ★★★★★
私の大好きな作者初期の短編ばかりを集めた作品集です。とりわけ好きな作品が『秋の旅』。ドイツ文学の名編のような香りが漂う作品です。あとは、表題作と『塔のある家』、『セーラ・ヒルの聖夜』がとくに好きです。

残念なのは、1976年発行の旧版に収載されていた『小夜の縫うゆかた』が入っていないこと。作者自身が『プチコミック』77年創刊号で、表題作と『塔のある家』と並んで、小夜という姉の名前を主人公に借りたこの作品を一番好きな作品に挙げているだけに、新版の作品集に収載されていないのは釈然としません。ヨーロッパを舞台にした作品集として統一したかったのかも知れませんし、替わりに旧版にはなかった『セーラ・ヒルの聖夜』が収載されているのはいいんですが、やはりちょっとガッカリです。

それとよく誤解されていますが、表題作は『トーマの心臓』の前身とか原型とかではありません。元々『トーマの心臓』の構想が先にあって、それを短編にとりまとめて別の作品として発表したのが『11月のギムナジウム』なのであって、『トーマの心臓』(の構想)こそが表題作の原型です。
(そのことは、作者のエッセイ集『思い出を切りぬくとき』やパーフェクトセレクション版『トーマの心臓』にも記されています。)

もうひとつついでに、『トーマの心臓』の元がヘッセの『車輪の下』であるかのような誤解も一部にあるようですが、そうではなく『トーマの心臓』の元は『悲しみの天使』というフランス映画で、それをドイツのギムナジウムを舞台にしたのは、「ヘッセが好きでドイツにあこがれていたから」だと、鈴木志郎康著『萩尾望都マンガの魅力』(清山社,1978年)の中の対談で作者は語っています。

ですので、『11月のギムナジウム』の大元は、フランス映画の『悲しみの天使』です。
「秋の旅」 ★★★★★
収録作品:11月のギムナジウム、秋の旅、塔のある家、もうひとつの恋、
     かわいそうなママ、白き森白き少年の笛、セーラ・ヒルの聖夜 以上7編

昔読んだ「秋の旅」の感動を忘れられず、文庫で捜して購入。
当時、くっきりと目に浮かぶ秋の午後の陽射しに夕焼け、
ばらの香りに草の匂い、蒸気機関車の汽笛にひづめの音まで
まるでその場にいるかのようにリアルに伝わってきて
自分が目にしているものが「まんが」だとは信じられなかった。

今読んでもその衝撃と感動は少しも色褪せておらず
作品のすごさを改めて実感している。

赤い表紙の初期短編集は就職する時
親に言われて泣く泣く知人に譲ったけれど、今でも多くの作品が
各社文庫版で入手可能なのは嬉しい限り。
短編についてご参考までに。

秋田文庫「アメリカン・パイ」
収録作品:アメリカン・パイ、白い鳥になった少女、妖精の子もり、アロイス、
     ビアンカ、ジェニファの恋のお相手は、ベルとマイクのお話、
     雪の子、ヴィオリータ 以上9編

白泉社文庫「この娘うります!」
収録作品:この娘うります!、3月ウサギが集団で、キャベツ畑の遺産相続人、
     ハワードさんの新聞広告、ママレードちゃん、ミーア 以上6編

白泉社文庫「ケーキ ケーキ ケーキ」
収録作品:ケーキ ケーキ ケーキ、オーマイ ケセイラ セラ 以上2編
間違いないっ! ★★★★★
傑作には間違いないっ!
少年愛ブームの先取りをいった作品だ。
モー様作品は最近は人の形がしっかりくっきりしてきた感じがするけど、この頃のは「流れるような線」が音楽みたいに心地よくて好き。
もちろん、今のも好きだけど、この作品とかこの頃のものはコマを飛び越えて空気が漂う感じがする。
でも、話も精密でしっかりしてるから読んでいて充実感がある。
何度でも読み返して何度でも味わい深い。
漫画でこんな感覚はそうはないだろう。
で、テーマとか話・・・それも美しいヨーロッパ映画みたいです。
トーマの前身 ★★★★☆
萩尾望都さんの作品は、漫画がただの子供の読み物という概念を払拭させてくれるものだと思います。
この作品(集)には、代表作の一つでもある「トーマの心臓」の前身とも
言える表題「11月のギムナジウム」が収録されています。読み比べて、
ああ、萩尾さんはこの作品から話をふくらませたのかな、なんて考えると

とても興味深く読めますし、もちろん1作品としても大変楽しめます。