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ローマ人の物語〈19〉悪名高き皇帝たち(3) (新潮文庫)

価格: ¥452
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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トホホなクラウディウス ★★★★☆
暴走し始めた若者カリグラが排除された結果、突如皇帝に引っ張り出されたクラウディウスを描く文庫19巻。
クラウディウスは身体が悪く、軍団でのキャリアもなければかといって政治のキャリアもほとんどなく、
歴史の研究と著述に人生を費やしていた。アウグストゥスの妻の連れ子で二代皇帝ティベリウスの弟、ドゥルーススの息子で、
兄は死後も伝説的人気のゲルマニクス、家柄は名門クラウディウス一門しかも家長というわけで、クラウディウスの社会的地位は高いが、
公的キャリアがなかった。それでも、今までに学んだローマ史を参考にしてか、なかなか律儀な政治を行っていく。
カリグラがたった4年でかき乱してしまった大帝国の秩序のほころびをつくろいながら、クラウディウスは頑張る。
問題は彼の失政ではなく、やりたい放題の妻を暴走させるなど、重きを置かれなかった点にあるらしい。
机上で得た知識とはいっても存分に実務に生かし、突然の帝位を必死にこなしていながらどうも低く見られてしまう、
なんとも哀れなクラウディウスの姿が印象深い。応援したくなる皇帝である。そして後を継ぐことになるのは、誰もが知る「暴君ネロ」なのであった。次巻に続く。
歴史家皇帝クラウディウスの悲喜劇 ★★★★★
カリグラの暴挙に呆れ暗殺した近衛軍によって次期皇帝に担がれたのは、市民の人気未だ衰えない亡きゲルマニクスの弟、クラウディウス。本人ですらも予期しなかった皇帝への就任、しかも、政治の世界に身を置かずに50歳まで歴史家として暮らしてきた経緯を考えれば、本書で描かれるクラウディウスの治世はなかなかにして順調で決して悪政というほどのものではありません。
しかしながら、クラウディウスにはある一面で致命的な欠陥がありました。それは家族(特に妻)や市民から畏敬の念をもってもらえないこと、しかも、皇帝になるまでにそのような経験がないだけにそのこと(皇帝という立場には畏敬をもってもらうことが重要であったこと)に無頓着だったことでした。結局、そのことが彼の人生に悲しくも滑稽な最期をもたらしてしまいます。
それにしても、広大なローマ帝国を治める事実上の「皇帝」に求められる能力・人間性のレベルは余りにも高く、この時期の皇帝たちが(確かに悪政であったり、人間的に問題があったにしても)後世からの評価が低いのはやむをえないような気がして、クラウディウスに少し同情してしまいました。
「敬意」を払われることの重要さ ★★★★★
若き皇帝カリグラの死により、突然に皇帝へと押し上げられたクラウディウスだが、歴史家だった知識を生かし地味にも着実に成果をあげていく。
しかし、身体的にも恵まれず溌剌さも無かったクラウディウスは50歳になるまで他人から畏敬の念を持って接せられる重要性を理解できなかった。当たり前であるがその種の感覚は幼少のころから敬意を持って両親や友人に接せられていないと養えない感覚である。軽蔑に慣れた皇帝を誰も尊敬しないのは頷ける。
現在でも、自分の夫をコバカにしていながらそれを見せて育てた息子が嫁に馬鹿にされるのは当たり前なのだ。特に男の子は厳しくも敬意を払いながら育てるのがいかに大切か、夫を立てることがいかに大切かを痛烈に感じる一冊。クラウディウスとアグリッピーナが反面教師となって教えてくれる。
クラウディウスは悪名高き皇帝じゃない。 ★★★★☆
カエサル編とアウグストゥス編が終わってからすいすい進むローマ人の物語。
こういうのが読みたかった。一人についてあまりに長いと飽きるから。

この巻の主人公は4代皇帝クラウディウス。見た目もパットしない50歳のおじさんがカリグラ暗殺でいきなり皇帝に担ぎ出されてしまった。
歴史の勉強をよくしていたクラウディウスはなかなかうまく治世を行っていくのだが・・・

真骨頂 ★★★★★
 やりたいことをやると言ってもやりすぎだったカリグラが暗殺され、皇帝に担ぎ上げられたクラウディウス。背も低くどもる癖のあった第一人者は、それでも実に真面目に帝国を支えることになる。

 決して自分一人ですべてをやろうとしなかった彼は、個人的な使用人たちを秘書官グループとして活用する。当然、元老院としては面白くない。その上、やりたい放題な皇妃が加わる。ついには自分の奥さんに殺されるハメになる。

 帝位の正当性を血に求めるならば、皇帝の重要な仕事の一つは子作りという事になる。中国では後宮を作り、そのいわば皇帝の家庭内の使用人が宦官で、官僚グループたる豪族や外戚との権力争いに終始した事を思い出す。ここまでローマにはそれがほとんど見られなかったのが興味深い。もっとも皇帝が子作りに精を出せばメッサリーナのような女性が多く出る訳で……この先はちょっと控えておこうか。

 それにしても、「人間とは心底では欺されたいと望んでいる」という行には、多くの「ヤラレタ」と思わされたい男たちは手を打って喜んだのではないか。これぞ真骨頂とご多分に漏れず喜んだのだが、うれしいのだから仕方がない。素直に大喜びしておくとしよう。

Neem ★★★★★
悪名高き皇帝たち(3)
ジン書店mark7 ★★★★★
読了。サブタイトルは「悪名高き皇帝たち 3」。4代目皇帝・クラウディウスの治世について。皇帝になる前は歴史家だったというクラウディウスは、50代にして皇帝となった。歴史に造詣の深い彼は、今まで全く未経験だった軍務や政務にも、意外なまでの才能を発揮する。しかし家庭では妻を抑えきれず、妻の行動によって様々な問題が噴出し始める―。著者の語り口が冷静ながらも生々しくて、歴史上の人物たちが身近に感じられます。28巻まで発売中。
水羊羹書店 ★★★★★
この巻の主人公は四代皇帝クラウディウスです。彼は肉体的欠点もあり、また派手な事業もないので、特に古代の史家からは軽蔑されています。ですが実は港の建設や国勢調査などの、地味ながら重要な仕事は確実にこなしていました。むろん非難されるべき点も幾つかありましたが、総合的に見れば平均以上の皇帝だったようです。それにしてもこれまでの歴代皇帝を見てみると、天才といってもよいカエサルとアウグストゥス、性格に問題はあったが武将としても政治家としても優秀だったティベリウス、その後カリグラという問題児のせいで一時混迷しますが、彼の後を継いだのは十分に及第点を与えられるクラウディウス。帝政ローマは共和政のときと同様に、その時々に適切な指導者を得て、健全に成長を続けていきます。そして次はいよいよネロが登場します。彼は本当に暴君だったのでしょうか。次巻からも目が離せません。