大人から見ると、たまに思春期過ぎるような、ナイーブすぎるような会話がされる。でもよくある青春ものと違うのはその絵柄だ。ふわっとしてのほほんとしたキャラクタがそういうせりふを言うことはリアリティがあるわけではない。でも、青春の持つ苦味やクセの強さをやさしくまろやかにしている。そしてそんな小さなキャラ達が泣くときに、こちらまで泣いてしまいそうな味があったと思う。
最近の作品であるブレーメンはすらっとした7頭身あるキャラと今までの3頭身キャラの場面が入れ替わる。だからというわけではないだろうが、少し青臭くて読むのが辛い面があった。
魔法の国のお話ではない。でもファンタジーのように感じる。
あるはずのない世界は現実の世界とかなり同じだけど、住んでいる人々は可愛くて丸くてそこにはちゃんと心の生きている気持ちがする。
本編終了後は3人がそれぞれ主役になってます。
それぞれ、読んでてほのぼのする読後感でしたが、
特に柚子が主役の「オペラ座の怪人」は泣けた…。
「うそでしょ?ハル君…」の場面では一人号泣しちゃいましたよ…。