『天使の舞闘会』の続き。つまり、7巻(本編+オマケで書き下ろし→『宇宙一不幸な男』)と言えるでしょう。
6巻ではあんなに大騒ぎしていたのに、一転、ひたすら、のほほん雰囲気の本作。
事後処理感が否めないのはしょうがないのですが、『外伝2』に比べると内容がイマイチかな?
等々の理由から星4つに。
外伝としての内容を期待して読むのではなく、本編として読めば、十二分に面白い作品です!
外伝的物語が二編収録されているのですが、どちらも面白かったです。あのジェームス中心になってしまうのか、と心配していた『世界一~』も、彼から見た祖父母世代+地球外生命体(黒)が出揃って、「若返り四人組」よりも「生き返り夫婦」の方が好きなら断然楽しめると思います。
ただ、これでシリーズを締めるにはちょっとインパクトもまとまりも足りないかも。所詮は「挿入話」と「後日談」であって、アイディアやストーリーは二次創作でもできる範囲ではないかと。もともとの話のスケールが壮大なだけに、こういうちょっとした話、を書くと、そういう印象を与えてしまうのかもしれませんね。『嵐~』のリィのあるエピソードは、まさに「ルウのためにリィがここまでしたら……」と言う読者の妄想に答えたかのような話になっています。リィとケリーの微妙な関係にもご注目。
ノリは二次創作なのに質はプロ、それを作者さんがあえてやるのがこのシリーズの面白さなのかもしれませんが。
新しいものを期待せず、「暁の天使たち」シリーズが好き、終わってしまって寂しい!という人たち(筆頭は作者?)には待ちに待った一冊。