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戦略論大系〈4〉リデルハート

価格: ¥3,200
カテゴリ: 単行本
ブランド: 芙蓉書房出版
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最後のリデルハート? ★★★★★
戦争の何たるかを研究するためには「戦略」と「戦史」の両方の知識が不可欠であるにも関わらず、日本ではどちらのアプローチもきわめて難しいのが現状であろう。そういう意味では、今回、リデルハートの名著が再度陽の目を浴びることができるということはとても喜ばしい。クラウゼヴィッツに始まる西洋軍事学の潮流は、多くの犠牲者を出した第一次大戦における塹壕戦によって大々的なパラダイムシフトを迫られる。戦争における究極の、そして間違ってはならない目的とは相手に自己の意志を強要することであるという基本教義にも関わらず、イギリス、フランスはおろかドイツ人までもが大きな過ちを犯してしまう。歩兵将校として第一次大戦に参戦した若きリデルートは、高度な軍事教育を受けているわけでもないのに自らの研究努力によって一つの結論を見出すことに成功した。そしてその考え方は航空機や戦車のような「突破力」に優れる兵器の登場によって、「電撃戦」や「戦略爆撃」が現実のものとなったのである。戦史に関して多くの著作を世に送り出したリデルハートだけあって、歴史を用いた実例は非常にわかりやすい。惜しむらくは、ページ数の都合が、原著の一部しか翻訳されていないことであろう。
クラウゼヴィッツに匹敵 ★★★★★
戦争について書かれた著書は多数あるが、本書は戦争の本質を深く追求している。戦争という社会現象を鋭く考察しており、今日のイラク戦争や朝鮮半島問題を考える上でも必読の書である。特に第一章は戦争について深く考えさせられる。日本版の『戦争論』といっても過言ではない。
戦争の本質を深く洞察するための必読書 ★★★★★
リデルハートに関する著作は日本でも翻訳の形でかなり広く紹介されており、彼が唱道した「間接的アプローチ戦略」がヨーロッパ各国の陸軍(特にドイツ陸軍)に与えたと一般に思われている影響についても、戦史に興味を持つ読者にとっては常識になっていると思われる。しかし、この本の最大の特徴は、抄訳の後に掲載されている専門家による解説論文にある。 石津氏の「リデルハートは、冷徹な戦史の分析から間接的アプローチを生み出したのではなく、第一次世界大戦での空前絶後の悲惨な西部戦線における塹壕戦を回避することを第一義的な使命と考え、歴史上の事例からいわば都合の良い部分をつなぎ合わせた結果できあがったものである」と言う主張はまさに正鵠を射ている。また、ヨーロッパの軍事思想にヨーロッパで接する機会のない読者にとって、石津氏の解説論文は「等身大」のリデルハートに触れる貴重な機会を与え、まさにイントロダクションとして最適であると思われる。

 「戦略論」におけるリデルハートの主要テーマである「戦争における政治的目的と軍事的手段との関係」、あるいは「大戦略」という概念は、現在においてもその有効性は衰えておらず、20世紀の各国政治・軍事指導者に与えた影響は極めて広範であり 他の同時代の戦略家の追随を許さないので、戦争を学問として勉強しようという読者にとっては、この本は必読書である。なお、ヨーロッパでの軍事思想をさらに深く研究しようとする読者は、石津氏が主張するように、クラウゼヴィッツ、またはイギリスのJ.F.C.フラーの著作との併読を勧めます。