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シリア紛争史 (山崎雅弘 戦史ノート)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: 六角堂出版
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中東の国シリアの現職大統領は、1970年から30年にわたり同国大統領の座に君臨したハーフィズ・アル・アサドの次男バッシャール(47歳)で、シリアも北朝鮮と同様、世襲による権力の継承(アラビア語で「ジュムルーキーヤ」)を行った国の一つだった。しかし、2011年3月からシリアの地方都市で、反バッシャール派のデモが次々と発生すると、シリア政府は即座にこれらを武力で粉砕し、これ以降シリア国内では政府軍とバッシャール派民兵による、反対勢力への情け容赦のない暴力と弾圧、そして虐殺が繰り広げられている。

北アフリカのチュニジアで2010年に始まった、アラブ諸国の民主化運動は、その後エジプトとリビアにも波及し、これらの国では長らく国家を牛耳ってきた独裁者(ザイン・アル・アビディン・ベン・アリー、ホスニ・ムバラク、ムアンマル・アル・カダフィ)が権力の座から引きずり下ろされた。しかし、イスラエルを挟んで反対側に位置するシリアでは、シリア政府軍の離反者から成る自由シリア軍などが抵抗を続けているものの、依然としてバッシャールを頂点とする政府側の優位は揺らいではいない。

それでは、なぜシリアでは、北アフリカのアラブ諸国のような民主化要求運動が進展していないのか。欧米諸国が「冷酷な独裁者」と名指しするバッシャール・アル・アサドとは、どんな人物で、いかなる経緯で権力の座に就いたのか。そして、シリアは今後、どのような方向へ向かおうとしているのか。

本書は、シリアが近代国家としての独立を果たしてから現在に至るまでの同国の歴史を、主に紛争史の観点から、コンパクトにまとめた記事です。2012年5月、学研パブリッシングの雑誌『歴史群像』第113号(2012年6月号)の記事として、B5判13ページで発表されました。第二次世界大戦後に独立したシリアと周辺諸国の複雑な関係に目を向け、現在のシリアが直面する国内および対外関係の重要な問題と、それを生み出した歴史的要因について、簡潔に整理しています。