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カダフィ伝 (山崎雅弘 戦史ノート)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: 六角堂出版
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「砂漠のキツネ」と呼ばれた名将エルヴィン・ロンメル率いるドイツ・アフリカ軍団(DAK)が、リビア東部の要塞港トブルクに対する猛攻を繰り広げていた1942年6月、そこから700キロ西方にある砂漠の街シルト付近で、一人の男児が誕生した。リビアの国家指導者として、後に国際社会で特異な存在感を示すことになる、ムアンマル・アブー・ミニャール・アル=カダフィ(カッザーフィー)である。

1986年、時の米大統領ロナルド・レーガンは、リビアのカダフィ大佐を「国際テロの黒幕」あるいは「中東の狂犬」と声高に非難し、彼の殺害を意図して米軍機に住居を爆撃させるなどの実力行使に出た。だが、同様にアメリカと正面から対決したイラクのサダム・フセインや、イスラム過激派勢力の指導者ウサマ・ビンラディンらが、次々と国際社会から姿を消す中、カダフィは本稿執筆時点(2011年5月)でもなお、1969年以来実に42年という権力の座を保持し続けている。

見る者に強烈な印象を植え付けずにはおかない独特の風貌、そして過激で挑発的な言動により、カダフィは国際政治というパワーゲームを演じるプレイヤーの中でも、ひときわ異彩を放つ存在である。しかしその一方で、彼が実際にはどのような人間であるのか、一介のリビア軍若手将校に過ぎなかった彼が、何を目指して政治の世界に身を投じ、なぜ超大国アメリカと全面的な対立姿勢を貫いたのか、といった人物像については、一般にはあまり知られていない点も多い。

それでは、カダフィ大佐とは一体どんな人物だったのか。彼はリビアの国家指導者として何を目指し、最終的にどのような場所へ到達したのか。

本書は、20世紀の国際社会を動かした指導者の一人、ムアンマル・カダフィの足跡と、彼を中心とするリビア現代史の流れを、コンパクトにまとめた記事です。2011年7月、学研パブリッシングの雑誌『歴史群像』第108号(2011年8月号)の記事として、B5版11ページで発表されました。様々な政治的思惑の渦巻く中、カダフィについての毀誉褒貶や風評は各種入り乱れており、そこから彼の実像を読み解くことは容易ではありませんが、本稿では現在入手できる限りの情報を基に、少々脂っぽいその素顔に迫っています。