若妻秘書・シルクの首環 Ⅱ 由紀かほるベストセレクション
価格: ¥0
由紀かほるAmazonkindle版、第3弾。オリジナルは「女秘書・シルクの首環」(アップルノベルズ)現在Amazonkindleで入手可能。2013年に増補改訂版をネット配信。今回、さらに全編に加筆修正を行った最新版。故藤本義一氏が「新潮45」にて絶賛した作品。
この《第Ⅱ巻・完結編》は完全なリライトを施した2018年版の《書下ろし》である。420枚。
〈立ち読み〉
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「メス犬のように尻を出すんだ。奴隷の正常位は獣と同じバックだ、判ったかっ!」
髪を掴んだ塩谷は、仰向けた貴子の貌に怒号を放った。
「うっ、は、はい、判りました―」
両膝をタイルの上についた貴子は、自ら上体を倒して両手を床についた。
首環と乳首にクリップ、そしてパンプスだけを身に着けて、貴子は全裸の肢体を四つん這いに這わせた。
そこはまだ陽の落ちる前の公園のトイレの中だった。
すぐ外では子供たちが遊びまわっていた。
同じ年代の主婦たちが集まっていた。
そんな中で、自分は肌を晒し、性器を晒し、四つん這いになって性交をはじめようとしているのだ―
信じられなかった。
が、膝と掌に触れる汚れたトイレの床の感触は、嫌でもこの現実を貴子に思い知らせてきた。
「自分からお願いしてみろ、奴隷」
背中の後ろの方から、塩谷の声が冷ややかに響いた。
裸の白い背中を曇ガラスから射し込む夕陽が、妖しい色合いに染めていた。
貴子は身体の芯から、今にも凍りつきそうなおののきを感じとっていた。
「し、塩谷様、ど、どうぞ、わたくしのこの身体で、セックスをお愉しみくださいませ―」
数メートル先の入口の辺りを見つめたまま、貴子は背後の塩谷に告げた。
「どこで愉しませるんだ、云ってみろ、奴隷」
「はい、あの、わたくしの、お、オマ×コです。わたくしのオマ×コで、どうぞ、お愉しみくださいっ」
その言葉が体内でも、鐘楼のように官能の響きを打ち鳴らしていた。
「ちゃんと濡らしてるんだろうな」
「はい、しっかりと濡らしてありますっ」
本当だった。
わざわざ確かめるまでもなく、ヒップの狭間で息づく果唇は、イジられもしないのに滴るばかりの果蜜を入口の辺りまで溢れさせてしまっていた。
自分でもそれが信じられなかった。
あんなに沢山頬を叩かれた後だった。
二つの乳首にはまだ強力なクリップが装着されたままになっていた。
淡い瑞々しい乳首はクリップの中にあって、如何にも痛々しかった。
が、乳首は痺れながらも、その存在をはっきりと感じとっていた。
いや、痺れるような痛苦と競り合うように、その奥から不思議な熱いざわめきを感じだしていた。
背後に跪いた塩谷は、丸く輝くようなヒップを叩くようにして鷲掴みにしてきた。
「もっと、尻を突き出せ、奴隷」
「あっ、は、はい、塩谷様っ」
絶えず裸身を慄わせながら、貴子はよく締まった腰を凹ませるようにして、美しいヒップをスッと泛き上がらせた。
シンボルの尖端がヒップの奥の、あらわになったクレヴァスに押し当てられた。
あんっ!―
ヒップの丸みが慄え、同時に果唇全体がヒクヒクとわなないていた。
自分でも説明がつかないくらい、すでに果唇が燃えきってしまっていた。
入口に灼熱した尖端が擦りつけられた途端、貴子は両手の爪でタイルを引っ掻いていた。
恐ろしいことだった。
こんなところで、こんな時間に、こんな恰好で性交をはじめようとしているのだ。
ズルンッ―
押し割るような衝撃が五体を走った。
貴子は息を飲んだ。
同時に、身体から力を抜いていた。
ヒップと果唇を捧げるように、静かに差し出していた。
「そら、お前の奴隷姿をよく見てもらえ」
「はい、塩谷様―」
条件反射的に答えながら、貴子は、
えっ―
と思った。
空気のそよぎが、その瞬間凝固して、その中に自分の身体までが閉じ込められたような気がした。
さっきまで聴こえていた子供たちの歓声や足音が、ピタリと止んでいた。
何か凝視するような、熱い異様な視線を感じて、貴子は貌を入口の方へ向けた。
二人の男の子と一人の女の子が、入口のすぐ手前に立って、こちらを見ていた。
!―
貴子は眼を見開いたまま、全身を凍りつかせた。
子供たちの眼は出し入れされる濡れた男性自身と、それを迎え入れる白いヒップの奥の果唇に注がれていた。
貴子は大きく口を開いた。
が、洩れだした悲鳴は自分の耳には聴こえなかった。
突然、脚もとの地面が割れて、身体ごと奈落へ堕ちていくような錯覚に見舞われた。
別の次元に自分の身体が転移したように思った。
そんな中にあって、自分の身体そのものも割れてしまったような気がした。
ちょうどシンボルを打ち込まれるヒップの中心から、身体全体が左右に裂かれていくようにだ。
そしてその裂け目から、突然、真っ白い眩いばかりの光が注ぎ込んできた。
異様な明るさと透明さを持った光は、貴子の体内のあらゆるところを、余すことなく照らし出していた。
内蔵や脳の奥はもとより、貴子の精神の隠されていた暗部までを、白い光が泛び上らせていた。
それまでの数々の謎がその瞬間に解けた気がした。
途端に、体内にはあらゆる情欲が満ち溢れてきた。
これまでじぶんが抱いていた欲望や願望が、実は自身の誇りや羞恥、或いは世間体を気にして極度に抑制されたものであることが、この瞬間はっきりと判った。
今そのすべてが取り払われた、文字通り桁違いの、異次元の欲情が身体を席巻していた。
出入りするシンボルが、まるで一気に何倍もの大きさにふくれ上がった感じがした。
その大きさに比例して、感覚は鋭さを増し、て強大な歓喜をうねりを呼び覚ましてきていた。
底が抜けたように、快楽と情欲の波が身体中を吹き荒れていった。
こんな歓びがあったなんて―
貴子は半ば呆然となっていた。
あの大田黒との性交で、自分は淫らな歓びを知ってしまったと思っていた。
それは忌まわしく、おぞましかったが、同時にそれまで知らなかったセックスの領域に目覚めたのも事実だった。
が、今この瞬間に身体が感じている歓びは、それをも遥かに凌駕して濃厚で熾烈だった。
シンボルが生身のシンボルのまま、生身の果唇を出入りしていた。
一切のフィルターを取り払われて、文字通り純粋さに満ちた、研ぎ澄まされたような真実の快楽が貴子の肉体に染み渡ってきていた。
ほぼ床と平行に出し入れされるシンボルに合せて、貴子は四つん這いで突き出したヒップを大胆に前後に揺すりたてた。
貴子は濡れ光る眼で、あらためて入口の方を見やった。
三人の子供たちは眼を見開きながら、未知のものへの興味と困惑と戸惑いの色を泛べて尚、この様子に見入っていた。
ああっ!―
声を放ったが、それも貴子自身の耳には届かなかった。
ただ溢れ出て、一向に堰き止めることのできない果蜜が、一段と羞かしい音を響かせているのが判った。
引かれたシンボルはヌラヌラと濡れきって、雫となった果蜜を床にまで滴らせていた。
貴子の果唇は燃えに燃えながら、シンボルの尖端の形状、エラの張り具合、反り返り具合、そして灼熱ぶりと鼓動までを、はっきりと感じとっていた。
それは原色の肉体が触れ合って生まれる歓びだった。
そして、貴子自身がよりシンボルそのものを味わおうと、腰全体を左右にもグラインドさせはじめていた。
塩谷は中腰になると、両手を腰から脇腹、そして胸もとに垂れるバストへ伸ばしてきた。
掌がふくらみを鷲掴みにするなり、
オオッ!―
貴子は貌をさらに仰向けていた。