この電子書籍は，科学雑誌『Newton』2015年6月号に掲載された特集記事の電子版です。同じ号に掲載された他の記事は含まれません。記述は掲載時の情報にもとづいたものです。一部画像の削除等，紙版とは異なる場合があります。大きいサイズのカラーディスプレイをもつ端末でお楽しみください。この電子書籍は紙版と同一のレイアウトで固定されており，テキスト検索や辞書機能，ハイライトなどの機能は使用できません。端末を横向きにすると見開きページとして表示されます。

＜本特集記事の内容＞
「バクテリア（細菌）」と聞いて，あなたは真っ先に何を思い浮かべるだろうか?　感染症，食中毒など，細菌が引きおこす病気だろうか。
しかし，このように人の体に悪さをする細菌はほんの一部だ。私たちの体には，数百兆個もの細菌が“同居”している。これらの「常在菌」は，私たちの体に必要な栄養をあたえてくれたり，肥満や，大腸炎などのさまざまな病気をおさえてくれたりといった重要な役割をはたしていることがわかってきた。
さらに，細菌や，細菌によく似た微生物「アーキア」の能力を利用して，工場などから排出される廃水や二酸化炭素から，エネルギーとして利用できるメタンガスなどを生産する研究も進んでいる。
本特集では，細菌とアーキアの驚異の能力を紹介しながら，人類の敵とされてきた細菌が，いかに私たちの強力な味方となるのかを見ていく。総ページ数：28ページ