Newton いま注目の最新・血液学
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この電子書籍は,科学雑誌『Newton』2013年3月号に掲載された特集記事の電子版です。同じ号に掲載された他の記事は含まれません。記述は掲載時の情報にもとづいたものです。一部画像の削除等,紙版とは異なる場合があります。大きいサイズのカラーディスプレイをもつ端末でお楽しみください。この電子書籍は紙版と同一のレイアウトで固定されており,テキスト検索や辞書機能,ハイライトなどの機能は使用できません。端末を横向きにすると見開きページとして表示されます。
<本特集記事の内容>
血液は,私たちにとって非常に身近な存在である。実際,あなた自身も転んでひざをすりむいたときや,あるいは突然の鼻血などによって,その赤い液体を何度も見てきたはずだ。けがをしたとき以外にも,輸血や献血,血液検査,はたまた血液型占いまで,生活のさまざまな場面で血液が登場する。
このように血液は身近な存在ではあるが,実は案外知られていないことも多いのではないだろうか。たとえば血液が赤いのは,その液体成分が赤いからではない。血液の液体成分自体は,実はうすい黄色なのだ。血液が赤く見えるのは,血液の中に大量に含まれ,酸素を運んでいる「赤血球」が赤いからである。その赤血球の量の多さにも驚かされる。その数,成人で約25兆個。一列に並べると地球を6周してしまうほどの,大量の赤血球が私たちの体内をかけめぐっているのだ。
血液は,体の健康状態を示すバロメーターでもある。一般的な血液検査で体の健康状態があぶり出されるのはもちろんのこと,近年では疲労の程度や胎児の先天的な異常の有無といったことまで,血液を分析することによって調べることができるようになりつつある。血液の世界をご案内しよう。総ページ数:24ページ