「質の高い睡眠」は仕事やスポーツで成果を出すために非常に重要なものだと位置づけられています。
近年における健康志向の高まりにより、睡眠の質を高めるための様々な手法に関する本が出版されています。そのおかげで、睡眠グッズに関する情報や、食事と睡眠に関する関係性ついて、私たちは様々な情報を得ることができるようになりました。しかし、「質の高い睡眠」と密接に関わっている「自慰行為（オナニー）」の影響について記載されている本はほとんどありません。
そこで、本書では、「質の高い睡眠」を「自慰行為」との関係性から紐解くことを目的として執筆しました。
世の中に溢れている「質の高い睡眠」と「自慰行為」に関する情報の多くは、「オナ禁」と呼ばれるカルト的な人気を誇る健康法にて、多くの体験談が寄せられています。アメリカでは「no fap（オナ禁）」がブームとなっており、ポータルサイトが立ち上げられるまでに至っています。「no fap」により「朝の目覚めが改善された」「睡眠時間が短縮された」等、様々な報告が挙がっていますが、全てが体験談ベースによる報告のみに終始しており、科学的な根拠を以って、「質の高い睡眠」と「自慰行為」について論じられている情報源は非常に少ないのが実情です。
本書では、科学者である筆者が「質の高い睡眠」と「自慰行為」に関しての研究成果の調査を行い、「質の高い睡眠」は「自慰行為」によって阻害される可能性が高いことを見出しました。そのため、本書では、「no fap」による「質の高い睡眠」へどのような効果があるのか科学的な根拠を以って以下の目次に従い、解説しました。

第１章 はじめに
1-1 最近のオナ禁ブームの実態
1-2 オナ禁を科学する理由
1-3 なぜオナ禁と睡眠に着目すべきなのか？

第２章 オナニーするとなぜ眠くなるのか？
睡眠の鍵を握るのはホルモンバランスだった！

第３章 目覚めの向上に関わるのホルモンはプロラクチンだった！

第４章 朝の目覚めには、体内時計を司るバソプレシンが重要だった

第５章 三大神経伝達物質はオナニーで放出される！？
5-1 ドーパミンが導く快楽の世界
5-2 ノルアドレナリン効果で記憶力アップ！
5-3 セレトニンって幸せホルモンって呼ばれているけど本当？
5-4 一見良い効果がありそうなホルモンだが・・・
5-5 三大神経伝達物質と睡眠の関係とは？

第６章 脳科学とオナ禁と睡眠

第７章 オナ禁はやっぱり睡眠の質を高めるものだった
7-1 オナ禁の効果はオナニーの害を低減させることだった
7-2 オナ禁と前立腺癌には科学的根拠がない
7-3 さいごに