玩具修理者、はいい。
★★★☆☆
2編が収められているが、
タイトル作は、いい。
だが、飛び過ぎていて慄くような冷たさを求めていたので
ちょっと期待はずれ・・・。かな。
疲れた
★★☆☆☆
評価がかなり高いので買ってみました。
玩具修理者も酔歩する男も、なんか無理やり感が強くて、
考えながらじゃないと飲み込めませんでした。
すいすいと心に入ってくるような恐怖感を味わいたかったのですが、
なかなかこの本に入りこめず・・・;
先が気になる展開でもなく・・・;
ただ坦々と最大の山場がどこなのかもわからないまま…
好みじゃなかっただけの話なのでしょうが、薄い本ながらに読みきるのには一苦労。
かなり好みが別れるかと思います。
酔歩する男の方が長いので、酔歩の最初3ページ位読んで見てから買うか決めるべし。
思ったほどでは・・・
★★★☆☆
ここでのレビューが良かったので期待しましたが、若干実力不足を感じた。
「玩具修理者」は40ページくらいで非常にあっさりした作品。
異様な雰囲気は面白かったけど、拙い文章に途中で白けてしまった。
「酔歩する男」はタイムトラベルもの。
こういう切り口はあまり無かったかもしれない。
途中の物理理論のくだりが冗長に感じたが、最後のオチまでなかなか楽しめた。
総じてアイデアは面白いが、全体的には凡作という印象。
酔歩する男
★★★★★
表題作の「玩具修理者」も悪くないですが、「酔歩する男」が最高です。
「自分ってほんとうは何者なんだろう」という気持ちがじわじわ湧いてきます。
例えば人間は一年経てば細胞が完全に入れ替わる、という話があります。
髪の毛や爪が生え変わった自分は自分といえるのか、など、そういう感覚を思い出させてくれます。
永遠に続く時間のなかで、どの瞬間が自分らしくあり、どの世代が自分と乖離したのか、
それは誰にも解らないし、自分ですら解らないと思います。
信じられないほど膨大な時間を経て、絶望と希望を同時に感じながら、
その記憶を持つ自分は昨日の自分とどう違うのか。登場人物が抱く疑問は、そのまま私たちの疑問になります。
「玩具修理者」のファンタジー性に気を抜いていたら、「酔歩する男」で打ちのめされる構造。
是非一度読んで貰いたい作品。そして不安定になって欲しいです。
はっきり言って駄作
★★☆☆☆
ホラー小説としての評価が高かったので購入しました。
ネタバレになるので詳細については触れませんが、
描写・設定が不自然(途中で遭った近所のおばさんの言動、成長の変化に気がつかない親など)、
何でもありの修理(その部品でなぜ治るのかについて説得力が皆無)、
取ってつけたようなラスト(意外性を狙ったんでしょうが…)。
正直、読んでいて失笑する部分のほうが多かったですね。
「ホラー小説だから突拍子もない設定や効果があってもいいだろ?」という考えなのかもしれませんが、
そういう考えは、逆にホラー小説の社会的地位を貶めるだけだと思います。
ホラー小説とは言え、読者をうならせるような説得力や理論が必要。
そういった説得力や理論が本作では皆無でした。
同じ角川のホラー小説のなかには
『墓地を見下ろす家』
『リング』
『黒い家』
『天使の囀り』
『ワタシnoイエ』
など良作がたくさんあります。
それらの作品と比べると一段も二段も劣る駄作としかいいようがないです。