涙なしでは読めない
★★★★★
児童虐待がテーマで
涙なしでは読めない作品。
ハッキリ言ってすごく重い作品。
その他にも、アルツハイマー、介護問題、等
決して他人事ではない問題も描かれていて。
こういう話、今の時代
きっと現実でも起こっているんだろうなぁ…と思うと
哀しくて辛くて切なくてたまらない気持ちになってしまう。
かなりの長編だけれど
感情移入してしまうので、全然長さは感じず
一気に読み進むことができた。
読み進むうちに
10年ぐらい前に見たドラマのシーンが
頭の中に浮かんできて
ドラマの内容なんて忘れていたはずなのに
それぐらい印象に残ってた作品だったのか、と驚かされた。
後書きに書かれていた
「子」ではなく「仔」にした理由。
それを読むと、また涙があふれてきた。
「優希」も「笙一郎」も「梁平」も
本当に存在していたような錯覚に襲われる。
本編の最後の2行
声を大にして3人に伝えてあげたかった。
もう一度見てみたくて
ドラマのDVD借りました。
またじっくり観直そう。
文句なしに面白い、でもラストが悲し過ぎる
★★★★☆
よくこの作品は感動巨編と書かれたりしているが感動はしない(僕はしなかった、衝撃は受けたけど)。緻密に練られた伏線がだんだん一本の太い線になっていく展開力はすごいし、読んだらほとんどの人がハマって、寝る間も惜しんで読んでしまう作品だと思う。
ただ、ラストが結局誰一人過去のトラウマを本当の意味では乗り越えられなかった事が非常に残念だ。同じような体験をした全ての被害者の為にも誰か一人でも完全にトラウマに打ち勝ち今を生きる姿を見せて欲しかった。
悲しくて、悲しい結末
★★★★★
たった一つの言葉を、
誰かに言ってもらいたい。
でも、
それは、
だれでも言いわけではない。
たった一つの言葉があったから、
生きていくことができる。
大どんでん返しがありました。
予測できないほどの。
でも、
説得力があり、
悲しくなりました。
悲しくて、
悲しい人たちの物語。
ルフィンとモウルとジラウ。
3人の悲しくも、
回復の兆しを感じる結末でした。
「力」がみなぎった作品
★★★★★
作者の代表作品。
直木賞の選考では、選考委員の大先生方に「作品が長すぎる」「子供同志の会話が子供らしくない」等々の評価を受けたようであり、実際読んでみると、なるほどその通りである。しかし、その不器用さゆえ、読者に強いメッセージが伝わっているように思う。作品自体は過去と現在に起きた殺人事件を軸に展開するミステリーとなっているが、まず作者が作品を通して伝えたいメッセージがあり、その表現方法としてミステリーを選択したように感じた。とにかく「力」がみなぎった作品である。
とにかくいい。
★★★★★
この本に託されているのは<生きる>という事。生きる意味でも生きる価値でもない、もっと端的で根本的な意味での<生きる>。
残酷で悲しいお話です。こうじゃなければいいという読者の予感はことごとく的中していき、予想もしなかった悲劇が主人公達を苦しめます。
しかしその悲しさの後ろに隠れていた人の空回りなやさしさや努力、そこに胸を打たれます。そしてそこにこそこの本のミステリーとしての楽しみも見出しました。
主人公達は最後まで悲惨です。しかしその悲惨さの中、この後も主人公達には多くの試練があるだろうと予測させながらもでどこか爽やかな読後感、そこに作者の力量を感じました。
物語は現在と過去、二つが交互に進んでいきます。しかし文章も巧みかつ話の展開にきれがあるのですぐに引き込まれます。現在編がいいところで終わっても過去編へすっと入っていくことが可能です。
ラスト二行、泣きました。あれを泣かずして何を泣きましょう。