過去に犯した罪は消えない。それを探られても勿論困る。そこには確かな3人の少年少女の秘密があった。それを再び呼び起こすのも困る。誰もが今の現状に耐えなければならない中、更に深く探る聡志。思いは複雑になってくる。
読んでいると少女期の優希を書いた作家は明らかに前作「家族狩り」を意識したようなさめた感じの印象を受ける。その時の亜衣に似た感じだが、ややそれとは違った感じも受ける。ただなんとなく現在に起きた事件での聡志のセリフにもあったように本作が訴えるものは近い気はする。決して内容は違うけれど。
歯車が狂ってきた感じがまじまじと見える。それを印象付けるのには十分すぎるのが2巻のラストシーンか。過去の3人の交流は、至って温かみが感じられる。要するに思いはここから変わっていないのかも知れないが。
何かが始まりそうで終わった2巻。秘密がばれるのはいつのころか。