そのほかにも、この本には目を見張るべき所がある。
この本には、小泉八雲が実際に読んだと思われる本(ヘルン文庫にある実物)を原文のまま載せている。そのような詳しい作業によって、小泉八雲が人物名や地名をどのようにして間違えたのかが分かる。
恐怖を中心とした怪談ではなく、寧ろ日本風の叙情によって綴られた怪談である。したがって、子供ばかりでなく、大人も、昔ゆかしい小泉八雲の世界に浸れることだろう。
恐ろしいですねえ、「破約」の物語。 美しいですねえ、「菊花の契り」の念友たち。
大人になるまでにかならず読んでおきたい本です。 もちろん大人になってから読んでも面白い傑作揃いです。