清原なつののSF漫画はSF者の琴線に触れます
★★★★☆
普通の少女漫画でデビューしたが、岐阜薬科大学の研究員でもある
理系の清原なつののSF漫画はSF者の琴線に触れます。
ただの歴史漫画と思った「飛鳥昔語り」がラストでSFになった時の感動は凄かった。
こいつは仲間だ!とビンビンと来ましたw
最終話で人類滅亡後の未来にタイムトラベルし、
「バカヤロー!」
と絶叫するアレックス・タイムトラベルも胸にズーンと迫って来ました。
タイムマシンがあっても、ご都合主義にならずに、
虚しい悲劇を受け入れよと諭す清原なつのの醒めた視点はいい!
タイムマシンがあろうと超科学があろうと、間違いは正せない。
間違った不幸を背負う覚悟で人生は生き抜くべきなのである。
やり直すのは卑怯ざんす。w
青いバラとアンチユートピア
★★★★★
清原先生の作品を読み進んでいますが、これも感動しました。
ラストの重さがとても上質で印象に残ります。
核で世界が変わったことがストーリーの根底にありますが、
このあたりのアンチ・ユートピア感は遠藤淑子先生の「ヘヴン」に通じるものが。
女性作家のSFの特徴かな?
青いバラの開発が全5話の共通モチーフになっているのもうまい構成。
各時代毎に青バラが人間と彼らの人生に関わるが、大半はバッドエンド。
話自体も、結局アレックスが元に時代にもどったのか、
別の時代に落ち着いたのかは不明のまま。これは読者泣かせです。
ただ、彼が5話を通して重い経験をし、成長したことは読み取れました。
それで救われます。
やっと清原さんに追いついた。
★★★★☆
近未来、科学の進歩が現代と同じように人間を幸せにする所か記憶まで管理し不幸にしている事を描いたお話です。他の方のレビューにも書いてありましたが清原さんが描く登場人物達はある意味マイペース、そして反逆者と言うか時代や社会からはみ出ている人達を多く描いているな~、と今さらながら思いました。清原さんの作品は私が小学校の頃に読んだのが初めで、そんなに魅力的な話だとは感じなかったのですが、独特な作品だな~、と感じたのを覚えています。後、清原さんの書く登場人物達の目って何となくですが寂しそうな目をしていませんか?オメメキラキラ全盛時代の少女漫画時代によくああいう作品を送り出せたものだな~、と感じています。子供の頃は分からなかったのですが大人になってから清原さんの作品の完成度の高さを感じます。それと時代がやっと清原さんに追いついたのでは?と最近そう感じます。