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夏の災厄 (文春文庫)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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公務員という災厄 ★★★★★
公務員というものは、組織の中でミスを犯さないことにひたすら意識を集中させ、常に自分の保身を第一に考えています。それでいて自分が世の中を動かし、自分がいなくては世の中はたいへんなことになると信じてもいます。そのあたりが実にコミカルに、そしてちょっと無気味に描かれます。篠田作品にたびたび登場するまじめというか、単に物の見方の非常に狭い男とひょうひょうと生きていく優男、そしてしっかりした女性陣が大活躍します。
すばらしい! ★★★★★
これが自分にとってのはじめての篠田作品で、読む前は期待半分という感じだったのだが、読んですぐに篠田節子のファンになった。さすが前に役所勤めを経験されてただけあって、描写が事細かで、かつ平易な言葉でわかりやすかった。カッコいいヒローはいないけれど、どこにでもいそうな普通の市民が問題を解決するべくあっちこっちぶつかりながら奔走する姿に力強さを感じた。
事実は小説より奇なり ★★★☆☆
日常の中に潜む恐怖を描いた作品。つまりベッドタウンに突然伝染病が発生したらという・・・。そのアイデアが切れている。プロットは普通。読んでいく中で想像するとおりに進んでいく。人物描写はいまいち。類型的で感情移入できる人物がいなかった。
本書の中ではある生物がウィルスの宿主として登場する。本来あり得ないとされている宿主により感染が広まる。
でも現実の世界では同じことが起こっていたりして、「現実は小説より奇なり」である。
本書の中で提示される篠田氏の企業観は偏っているように思え、その辺は興ざめだった。例えば森沢をヒーローに据えても面白かったのにと・・・。
ヒーローのいないパニック小説 ★★★★★
~ 篠田ファンの人に、最初に読むなら何がいいかなと聞いて勧められたのがこの本でした。この手のパニック小説というと、たいていはお医者さんか科学者が主人公で、病原菌の謎を解き、最後にはあっと驚くような解決法を見いだす、といったストーリーが主流ですよね。だからこれも、そういった展開になるものと思って読み始めました。展開がわかっていても、作~~者の筆力次第でいくらでも面白い小説になるものですからね。

 ところが、読み進めていってもなかなか”ヒーロー”は出てこない。役場の職員や看護士など、どちらかというと”脇役”っぽい人たちがまとめて主役になっている。社会全体から見たら小さな存在かもしれない人たちが、この事件の中ではそれぞれがとても大きい存在感を示し出す。そう、社会って~~いうのは、誰か一人のヒーローではなく、こういった名もない一人一人が作り出しているものなんだ、と思わせてくれる。

 ラストは想像していたものとは違ったけれど、一種の爽快感さえ感じるほど気持ちのいいものだった。~

3回くらい読み返しちゃったよ ★★★★★
わりと分厚い本ですけど、読み始めたらとまらないと思います。
フィクションでありながら、とことんリアルなので、背筋がぞっとすると思います。それに、行政のありかた、官僚の人たちなどの対応など、考えさせられる要素も多数含んでいます。