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神鳥イビス (集英社文庫)

価格: ¥570
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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弥勒ではまって・・・ ★★★☆☆
弥勒ではまって・・・ゴサインタン、本作と一気に読んだがもういいや。相変わらず一気に読ませる筆力は凄いが、読後にゲームにはまって夜明かしした後のような空しさを感じるのは何故だ?時間潰しにはいいが、もういいや。何か得たものがあるか?酷なようだが無いとしか言えんよ・・・世の中にはもっと読むに値する書物がいくらもあるぞ。筆力はすばらしいが何か足りない・・・作家としての底力の問題だ。
怖くて美しく人を読まさせる本 ★★★★★
まさに、篠田節子の筆力のなせる業というか。彼女の「美」への執念とも呼べる感性が一気にラストまで読まさせる。「読んだ」というより「読まされた」と言った表現が私にはぴったくる。
「ありえないだろう」と思いながらだんだん「現実」と「幻」の境が自分でもわからなくなっていった。
主人公2人のうちの「男性作家」がいわゆる「ヒーロー像」からはかけはなれているあたりが、また面白い。
篠田ファンならずとも一度読んで損はない作品だと思う。
幻想的で美しいホラー小説 ★★★★☆
自分の仕事に行き詰まりとマンネリを感じている女性イラストレーターの谷口葉子と、落ち目のバイオレンス小説作家美鈴慶一郎、明治時代の日本画家河野珠枝の「朱鷺飛来図」に魅了された二人は、怖いくらいに妖しい絵に隠された秘密と、女流画家の足跡を巡る取材へと出かけるが、そこで待っていたものは、血も凍るような恐ろしい世界だった。

前半、美術館から河野珠枝終焉の地の新潟、さらには佐渡島へと絵の謎を追っていく過程は、よくできたミステリを読んでいるよう。謎が深まっていき、いよいよその確信へと迫るため奥多摩の山奥へと向かう後半は、我慢していたものが一気に解き放たれたようにそれまでの現実世界とは違った異様な世界が一時にあふれかえり、読者を恐怖へと引きずり込んでしまいます。また、雪の中で咲くボタン、その中を舞い飛ぶ薄桃色の羽根を持つ巨大な鳥、真っ白な雪の上に飛び散る真っ赤な鮮血、鍋の中の桃色がかった薄い赤い汁の中に浮かぶ大根、いも、肉、などなど、恐ろしくも異様な美しさが妙に心に残りました。
下手にハッピーエンドで終らないところも良し。秀逸なホラー小説です。
凄まじい臨場感 ★★★★★
朱鷺飛来図は怖い。
単なる絵なのに、見る者を恐怖に陥れるばかりか、
本当の不幸までもたらしてきた。

その謎を探るべく、作家とイラストレーターは奥多摩へ分け入るが、
そこで体験した事は凄まじい恐怖体験と朱鷺の攻撃だ。
その場面は生々しく、二人は本当に全身に怪我を負うのだからリアルだ。
何とか、逃げ出せたのは、奇跡と言って良い。

この物語は、怖ろしい光景が、実際に真に迫ってくる様で、
手に汗握るというレベルの騒ぎではない。
著者の才能が、いかに尋常ではないかが分かる。

この様に、二人は命拾いをするが、物語はここでは終わらない。
もう一波乱?あるが、この波乱はあまり怖くない。
しかし、物語の結末としては、なかなかのものだ。

読後にも尾を引くものがある。
それは、朱鷺の復讐なのかも知れない。
不思議なホラー ★★★★★
まずありきたりじゃないキャラクター設定に惹かれました。
ファンタジー系美少女美少年の絵ばかり描いてきて、行き詰まりかけている32歳の谷口葉子と、血しぶきと強姦シーンが売りのバイオレンスものばかり書いてきたが、そろそろいいものを残したいと思っている小説家美鈴慶一郎28歳。美鈴本人はバイオレンスとは無縁な、スケベで気弱でさえない男です。さすが篠田さん。こんなにかっこわるいヒーローを選ぶとは。
二人が迷い込んだホラーな世界はなかなか恐いものです。
恐ろしい体験をした後、「今書いてるものは最高の出来になると思う。そうしたら魑魅魍魎にこの体はくれてやっていい」と言う美鈴に、谷口はある決断をします。
自分は一人ではない。決して理想の人ではないけれど、それでも共に戦ってきた相棒。
彼と共に、まだ終わらない恐怖と戦うことを選んだところでラスト。
全てが解決してハッピーエンドではないけれど、ヒロインの強さに今後の希望が見えています。