インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

人生論ノート (新潮文庫)

価格: ¥380
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
時代背景を考えるとさらに意味深い ★★★★★
この本の後記(あとがき)に、「これは昭和13年以降に掲載されたものを纏めたもの」とある。今でも読み継がれるほど普遍的なことが書かれているが、戦争へと突っ走る昭和初期に描かれたことを思えば、その内容がさらに重く感じられる。

この中には「幸福」という言葉が多用されているが、戦争を意識して書かれたのではないだろうか。そして戦争はないが、競争が熾烈になって人々が幸せを感じにくくなっている今、改めてこの本に書かれていることが新鮮に思えるのではないだろうか。
現在60歳の私が高校生のとき何度も読んだ本 ★★★★☆
清水幾太郎の『論文の書き方』で三木清の名前を知った。「文章がうまくなりたければ、三木清のようなすぐれた思想家の文章を読め」と名文家の誉れ高い清水氏が書いていた。
本書は、当時大学入試に頻出の文章であった。現代国語の教科書にも「仮説について」が載っていた。人生論ノートは、きわめて難解な教材であった。 三木清のものは、『三木清著作集』でかなり読んだ。歴史哲学も三木清の著作で学んでいた。日本史の授業で文学博士の学位を持つ東大教授が歴史とは何かを講義したが、教授の説は幼稚な考えであると思い、反論した。教授はうなづきながら、私の考えを黙って聞いていた。 そのときの授業に出ていた愛知県立旭ヶ丘高校の卒業生で現在旭ヶ丘高校の教諭をしている全学同窓会の副会長が40年前の私の反論を覚えていた。私の方がレベルが高い見方をしていたから、長い歳月がたっても忘れずに覚えていたのだ。 今、還暦を迎えて、青春時代の思い出がつまった人生論ノートを読み返してみると、三木清という人は文章が下手だと思う。文章がゴツゴツしてなめらかさがないのだ。

京都帝大始まって以来の秀才と言われた三木清の文体をまねて「旅について」を当時勤めていた大手旅行会社の社内報に書いたことがある。三木清のまねをした文体が普通の文体に直され、私は社内報の編集に激怒したこともあった。激怒したが編集部には何も文句はいわなかった。

読売新聞の記者になった先輩は、この本を「高校生向けの幼稚な内容の本」とけなしていた。私は「高校生にはかなりむずかしいと思う」と返事した。
本書により、私は、哲学の考え方を教えてもらった。より根源的な立場から物事を見られるようになった。私が議論すると、まず負けることはない。他人が思いもつかぬ発想で、参加者をビックリさせられる。大学入試も主席合格であった。今でも議論で大学生を煙にまくことができる。


名著のなかの名著 ★★★★★
 三木清の『人生論ノート』はまぎれもなく名著の中の名著だと思う。多くは「箴言」の形をとって人間の「生」のありように深い納得をもたらしてくれる思想書で、読んでいて震えが来るような鋭いメタファーが各章に散りばめられている。140ページ程度の薄い本で、23本のエッセイ集のかたちをとっているから、つまみ食い的な読み方をしても問題はない。

 ただ、多くの人にとって読みやすいとは言えないかも知れない。
 本書は、哲学者の三木清が、「死」「幸福」「懐疑」「習慣」「虚栄」「名誉心」「怒」「人間の条件」「孤独」「嫉妬」「成功」「瞑想」「噂」「利己主義」「健康」「秩序」「感傷」「仮説」「娯楽」「希望」「旅」「個性」といった人生の諸局面について、エッセイ風に論じた人生論集ということになっている。しかし、「人生論ノート」というタイトルそのまんまの内容をイメージして本書を手に取った人は、たぶん面食らうだろう。
 「人生論」というよりも本書はやはり「哲学書」であって、過去の哲学者たちの「文献」のかわりに「人生」を材料にして、厳密な「哲学」を展開したものと言ったほうがいいからだ。

 死について一通り思いをめぐらしてみたとか、近代という時代の貧しさや、思想することと生活することの固い結び付き等について考えてみたとか……そしてそのために、カントやらキルケゴールやらニーチェやらハイデガーやらの哲学書に触れてみたとか、そういう経験を持っていないと、スラスラとは読めないかも知れない。

 だから他人に軽々しくお勧めできるものではないのだが、誤解してでもひとまず受け取っておいたほうが良いような名言が随所に登場するので、やはり名著に違いはないと言っておきたいと思う。以下、本文から私の気に入った箴言を引用しておきます。

 「彼の幸福は彼の生命と同じように彼自身と一つのものである。この幸福をもって彼はあらゆる困難と闘うのである。幸福を武器として闘う者のみが斃(たお)れてもなお幸福である」(幸福について)

 「私が恐れるのは彼の憎みではなくて、私に対する彼の憎みが習慣になっているということである」(習慣について)

 「すべての人間の悪は孤独であることができないところから生ずる」(虚栄について)

 「名誉心と虚栄心とほど混同され易いものはない。しかも両者ほど区別の必要なものはない。この二つのものを区別することが人生についての智慧の少なくとも半分であるとさえいうことができるであろう」(名誉心について)

 「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の『間』にあるのである」(孤独について)

 「もし私に人間の性の善であることを疑わせるものがあるとしたら、それは人間の心における嫉妬の存在である」「どのような情念でも、天真爛漫に現れる場合、つねに或る美しさをもっている。しかるに嫉妬には天真爛漫ということがない」(嫉妬について)

 「時には人々の期待に全く反して行動する勇気をもたねばならぬ。世間が期待する通りになろうとする人は遂に自分を発見しないでしまうことが多い。秀才と呼ばれた者が平凡な人間で終わるのはその一つの例である」(利己主義について)

 「感傷はたいていの場合マンネリズムに陥っている」(感傷について)

 「第一級の発明は、いわゆる技術においても、新しい技術的手段の発明であると共に新しい技術的目的の発明であった。真に生活を楽しむには、生活において発明的であること、とりわけ新しい生活意欲を発明することが大切である」(娯楽について)

 「愛は私にあるのでも相手にあるのでもなく、いわばその間にある。間にあるというのは二人のいずれよりもまたその関係よりも根源的なものであるということである」(希望について)

 「七つの天を量り得るとも、誰がいったい人間の魂の軌道を計ることができよう。私は私の個性が一層多く記述され定義されることができればできるほど、その価値が減じてゆくように感じるのである」(個性について)  
人間の宿命 ★★★★★
「努力家型の成功主義者は、決して軌道をはずすことがない故に、それだけ俗物として完全である。生きることがそもそも冒険であるという形而上学的真理を如何なる場合にも理解することのできない人間である」人間が人間であり続ける限り、私たちは本書に述べられている数多くの宿命から逃れることはできない。

タイトルどおりの本だった。きっと再読する。まったく古さを感じない。 ★★★★☆
日本語で書かれた哲学のエッセイ。
それぞれの項目(例えば幸せについてとか)は、数ページしかないのだが、がっちり読み応えがあった。
戦前に書かれたものだが、まったく古くない。それがこの本で一番すごいところ。それだけ、人間の真髄にせまっているということか。
一番気に入った言葉は「一種のスポーツとして成功を追及するものは健全である」というもの。
本当に人生について少し真面目に考えたかったタイミングにこの本を手に取ったので、それも良いタイミングだったと思えた。
タイトルに偽りのない本だった。きっと再読する。
勉強になりました。 ★★★★★
とても勉強になりました。
良い商品を有難うございました。 ★★★★★
良い商品を有難うございました。