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母性社会日本の病理 (講談社+α文庫)

価格: ¥950
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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日本社会の精神的構造が少し見えてきました ★★★★★
初版は1970年代の本ですが、今も決して色あせないどころか、ここにかかれている内容は今日の社会問題に何らかわりありません。

父性社会である西洋の影響を大いに受けている、母性社会である日本の人々が抱える精神的病理について専門的に書かれていて、人前で自分の意見を言ったり、自己紹介が苦手な人が多い日本人のその訳がわかってきます。

専門的な知識の無い私でも、理解しやすい内容でした。
結構分厚い本ですが、興味深く読み終えることができました。
現代にもあてはまる日本社会の病理 ★★★★★
この本が書かれて30年経つが、著者が提起する日本が抱える様々な問題はどれも今もって当時と同じように横たわっている。一般的に少し前までの近代日本社会は父権社会だと考える傾向にあると思われるが、著者は、父権を確立することによって母性原理に基づく文化を補償してきたという。つまり、父親は家長として強さを持っているが、それはあくまで母性原理を遂行するための強さで、父性原理の確立者というわけではないというのである。読み進めるに従いその説には納得させられる。そして、現代でもその母性社会の特徴は全く失われていないように思う。それであれば、30年の時を経ても変わらないこの社会の特徴を知ることは、この世をたくましく生きていくために助けとなるのではないか。そんなことを考えさせられる。
不登校、平等主義、対人恐怖、心理的な少年と老人などの日本人の特徴や病理について示唆深い一冊。
読みやすい文体。 ★★★★★
河合さんの著した殆どの本は、高校生にも読める簡易な文体で書かれているのが特徴です。この本も然り、とっつき易いです。内容は、西欧と日本人の持っている自我の違い、永遠の少年(概して大人になりきれない日本人)が大人になるためのイニシエーションの必要性などについて書かれています。
その中でも、能力主義と平等主義について書かれている部分がありますが、今読んでも約二十年前に書かれたものとは思えないくらい、全く時代遅れを感じさせません。真実はまかり通るもの、と山田詠美さんがどこかで書かれてましたが、河合さんの書かれる著作は、いつも、そういう感じを与えてくれます。