あれっ?これはどこかで見たことが・・・
★★★★☆
今回の相方は「凍える牙」でコンビを組んだ滝沢保。
今までの作品にはほとんど出てくるので、2回目というと以外に思えてしまうが「コンビ」として動くのは2回目。
この2人が会話している時に面白いシーンがあった。
些細なことから口論になり、険悪な雰囲気になっていく・・・、あれ?どっかで見たきがする。これは「デジャブ」か?
そうだ『鎖』の星野と口論になり、音道貴子が監禁される原因となった、あのシーンだ。
あの時は星野に対して散々言った滝沢がどういう反応をするか楽しみだったが、「さすがはベテラン」といった対応だった。
違う見方をすると「滝沢も歳には勝てないのか?」と考え、またちがった見方をすると「滝沢は貴を育てようとしているのかも」と思える。
『鎖』と比べるとページ数は少なく、一見すると「少しは落ちるかも」と思ってしまうが、そこは直木賞作家・乃南アサ。
面白さは少しも落ちることはない。
容疑者がおぼろげながら見え始めたところで終わった上巻。
今後の展開が楽しみな終わり方だった。
下巻も楽しみだ。
音道丸くなってないかい
★★★★★
「凍える牙」を読んだときは私もまだ30歳代。
滝沢よりも音道に感情移入できたのだが、
この本を読んでいる私は、もう40半ばを過ぎた。
当然、音道よりも滝沢に感情移入してしまう。
私が、仕事で今ペアを組んでいる女性は、37歳。
バツイチではないが、外見は音道に似ているかもしれない。
彼女から見れば、私も滝沢のように見えるのかと思うと
なんだかへこむ。
さて本書だが、音道丸くなってしまった印象を受ける。
音道らしくない。
成長なのか。
ストーリーに関しては文句がない。
さすがは直木賞作家。
読ませどころ満載である。
また、文章がよみやすい。
すらすらと読めるし、頭にも入ってきやすい。
まるで映像を見ているよう。
下巻も期待大である。
また、新潮文庫は、字が大きくなったので、
老眼が出だした私にとっては大変ありがたい。
名コンビ、再び
★★★★☆
大好きな「女刑事 音道貴子シリーズ」です。
あの『凍える牙』でコンビを組んだ滝沢警部補との名コンビが再び復活です。
3体の白骨死体。
その唯一の手がかりだった痴呆老人の殺害事件。
そして20年以上もさかのぼる父娘惨殺事件。
やっと見えてきた点と線ですが。
いつもの如く、どんな場面でも冷静な音道刑事。
この『風の墓碑銘(エピタフ)』では、音道刑事の私的な悩み事も・・・。
下巻では、この点と線をうまく結びつけ、私的な悩みも解決していく事が出来るのでしょうか??
ついつい応援したくなってしまいますね。