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風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

価格: ¥594
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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時効制度の廃止を求める ★★★★★
 読んでいる最中いろいろなことが頭を駆け巡った。
 事件の進展もそうだし、刑事も一人の人間であることなどを感じた。
 しかし、最後に頭に残ったのは「時効制度は廃止されるべき」ということだった。

 最近、時効制度の廃止が取りざたされている。
 そのことが初めて新聞やニュースなどに取り上げられた時「まあ、どちらかといえば廃止したほうがいいんじゃないか」くらいにしか思っていなかったが、本作を読了後「絶対に廃止されなければいけない」という意見に変わった。
 作品の性質上詳しくは言えないが、読み終わったときには必ずそう思ってもらえると思う。

 殺人事件でたとえ犯人が逮捕され、死刑が確定し、それが執行されようとも遺族の悲しみが消えることはないだろう。
 その悲しみはその当事者か経験者にしかわからないものだ。
 だが、「時効が成立したからこの事件はおしまい」では遺族がやりきれない。
 遺族が一歩でも前に進むため、光を見つけるためには時効があってはならない。
 逆に犯罪に時効なんてあってはならない。
 人を殺めた事実が消えることは死ぬまでないのだから。
 
救いのない話なのだが ★★★★★
事件だけ見れば救いのない話なのだが、そう感じさせない、
いや、読後感はさわやかでさえあるのは、筆者が事件を、
ストーリーテリングに軸をすえているからではなく、
人間模様を書こうとしているからに他ならない。
ストーリー的には、ちょことしたサイドストーリーを挟んで
落ち着くだろうなぁというところに落ち着く。
だから、この本は、ストーリーを追うのではなく、
人間模様を楽しむための本である。
池上冬樹が「時代小説的」と書いているのは、
まさしく慧眼である。


中学生からお年寄りまで幅広い層に薦めることのできる
快作である。
ただし、どうせ読むなら、音道貴子シリーズを「凍える牙」から
読まれることをおすすめする。


盛りだくさんの内容で・・ ★★★★☆
上巻を読んだときには、こんなにいろんな事件が出てきて、一体どんな風に結びつけ、どうやって解決していくのか?と思いましたが、ちゃんと点と点が線でつながって、無事に解決に至りました。
偽刑事事件や、同僚の女性鑑識、相方の病気、そして昴一のこと。
起きた事件の数と同じくらいに、それ以外の事が平行して起こっていて、今までにない盛りだくさんの内容になっています。
音道刑事の冷静さは相変わらず。
これから先、どんな事件を解決していくのか?続きが楽しみです。