ディテールはうまく説明して欲しいな
★★★☆☆
清少納言はモーツアルトか。現実の栄枯盛衰はその作品にはほとんどその姿を現しません。この宮仕えの理想の状態が永遠に続くような錯覚を読者には与えてしまいます。軽やかに、他人を気にすることもなく、理想的な主人の下でのharvey roadの世界が才気煥発に、ここには存在するようです。ただ、ビギナーズ・クラシックはいつも非常に参考になりますが、この枕草子だけは一筋縄ではいきません。このような随想の塊は、ディテールが鍵となります。ところがこのビギナーズ・クラシックスのフォーマット(現代語訳、原文、そして解説)では、段ごとの意味はつかめても、細かいディテールの持つ意味が十分に取り扱われることはありません。もう的確な解説がなければ理解できないけれども、それさえあれば、思い出の彼方にかすかにそのエッセンスの記憶が残るディテールです。といって、細かい註が小さい字でついている作品では味気ないものです。そいう意味では、(桃尻語訳 枕草子〈上〉 (河出文庫))これを読んだ方がいいのかな?
NHK TV Jブンガクの2009年6月に紹介がありました。
★★★★★
NHK TV Jブンガクの2009年6月に紹介がありました。
11世紀の日本文学の代表作。
「春はあけぼの、やうやうしろくなりゆく山ぎは」
日本語よりも、英語の方が内容が分かるかもいしれません。
英語では、The Pillow Bookという名称で、直訳っぽい気もします。
お手軽な大人の入門書です
★★★★☆
「段の冒頭を暗唱する」ことを目的に、お手軽価格と小さなサイズでこの本を選びました。
これまでに何度か「枕草子」を読んだことのある人に取っては少し物足りない分量です。
有名な段は大抵取り上げられているのですが、ひと段まるごと全体ではなく、前半のみが取り上げられているものも多いです。
鳥の段など「この先が面白いのに…」と歯がゆい気分になりました。
そこが☆1個マイナスです。
それでも、解説は大人向けですし、現代語訳→原文→解説という読み進めやすい記載順も斬新ですし、大人の入門書としてお薦めします。
「枕草子」のエッセンスが詰まった親しみやすい一冊
★★★★★
全部で約三百の章段からなる『枕草子』の中から七十段あまりを選び、現代語訳、原文(いずれも、総振り仮名付き)、寸評の順に掲載された文庫本。坂口由美子・執筆による現代語訳が平明で親しみやすく、原文の味わいを見事に生かしています。作者・清少納言のきらきらした才気がほとばしる世界、千年前の作品なのに今に通じる人間の息吹、人情の機微を感じる世界に、すっと入っていくことができました。
たとえば、「春は、曙(あけぼの)」ではじまる有名な第一段の現代語訳は、こんな感じ。ここでは字数の関係で、春と夏の部分のみ、引いておきます。
<春は、なんといってもほのぼのと夜が明けるとき。だんだんとあたりが白んで、山のすぐ上の空がほんのりと明るくなって、淡い紫に染まった雲が細くたなびいているようす。
夏は、夜がすてきだ。月が出ていればもちろん、闇夜でも、ホタルがいっぱい飛び交っているようす。また、ほんの一つ二つ、ほのかに光っていくのもいい。雨の降るのも、また、いい。>(p.11)
言い得て妙だなあと、清少納言の味わい深い機知に感心させられた箇所では、格別、第一六一段「近くて遠いもの」と第一六二段「遠くて近いもの」が並べて配置された所が印象に残ります。ここも、現代語訳を引いてみましょう。
<近いくせに遠いもの。宮のべの祭り。愛情のない兄弟・親族の間柄。鞍馬の九十九折(つづらおり)という、幾重にも折れ曲がった坂道。十二月の大晦日(おおみそか)の日と正月の一日(ついたち)の間。>
<遠いくせに近いもの。極楽。舟の旅。男女の仲。>
本書を手にとったのは、小川洋子『心と響き合う読書案内』の中で紹介されていたのを読んで、読みやすそうだな、面白そうだなと興味を誘われたから。その期待どおりの、本書はとても親しみやすい、『枕草子』のエッセンスが詰まった一冊でした。
発注してすぐに届きました。商品もきれい…
★★★★★
発注してすぐに届きました。商品もきれいでよかったです。