日本の古典文学です。角川の古典の入門書シリーズで、このシリーズは大変読み易く面白いです。平安朝時代に成立したとされる物語集です。インド・中国・日本の説話が収載され、国際的でもあります。ふりがなつきの原文、現代語訳、解説やコラムがついていて、とても楽しく読め、原文の味わいも楽しめます。仏教説話や、庶民的なもの、下級貴族の悲哀など幅広い説話を含んでおり、内容豊かなものです。昔の人の生活のあり様や生き方なども知ることができ、大変興味深い本だと思います。古文や日本史の勉強にもとても役に立つと思います。価格も安いし、あらゆる点でとても良い本だと思います。当時の衣装などの挿絵もあります。巻末には、当時の地名や、冠位などもまとめてあり、読むのに参考になると思います。古文の初学者に入門書として最適と思います。

今回紹介する本以外に、この角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスのシリーズをいくつか読んだことがあったが、このシリーズは全般的に本当に読みやすいです。古典本のお手本にして欲しいです。本の構成を簡単に述べると、本文（現代語訳）→古文→解説となってます。なぜ読みやすいかと言うと、当然ながら、言葉は現代風に書かれているし、解説がまたいいのである。この解説が無かったら、このビギナーズ・クラシックスシリーズの意味が無くなります。それで読みやすくなるから、面白くなるのである。岩波文庫あたりは少し見習って欲しいですね。

古典の世界の厳かな雰囲気が楽しく味わえる。古典を習っていて「助動詞わかんないよ、ケッ！」となっている人(私)はこういうのを読んでみると良いかもしれません。まず目次からおもしろいですよ。

　『今昔物語集』は本来、一千話以上の説話集。でも面白いところだけを、解りやすい解説でピックアップというのがこの本。
　構成は、現代文、本文、解説、という流れです。
　説話にまつわるコラムも充実していて、雑学も得られてしまう優れもの。復原模型写真や挿絵も入っています。

　更に良い所は、付録として巻末に「もっと勉強したい方に」という『今昔物語集・探求情報』なんてのがある。注釈書や入門書、絵巻物の案内なんて気がきいてます。その他、参考地図や官位相当表など、読んでいく上で必要なものもしっかりついています。
　教科書ではつまらなかった人、ぜひこの機会に古典の世界へ。